野口悠紀雄

野口悠紀雄

(のぐちゆきお)
一橋大学名誉教授

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ

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『野口悠紀雄 使える!「経済データ」への道』

第9回
マネーストックの高い伸び率は見かけだけ 住宅駆け込み需要が減ればさらに低下
野口悠紀雄
日銀が2013年4月に導入した異次元金融緩和は、日銀が市中銀行が保有する国債を最大60兆円購入して信用創造を図ろうとした。しかし市中銀行の貸付増加は不動産部門でしか確認されていない。この不動産の増加は消費増税前の住宅ローンの駆け込み需要であり、異次元緩和の効果とは言えない。
マネーストックの高い伸び率は見かけだけ 住宅駆け込み需要が減ればさらに低下
第8回
2014年度はゼロまたはマイナス成長――消費税増税より大きい公共投資減の影響
野口悠紀雄
資産価格と実体経済の遊離は、2013年に顕著に進んだ。2014年においても、資産価格と実体経済が乖離した動きを示すという点では変わらない。しかし、実体経済の停滞は、もはや無視しえないほどに拡大するだろう。すなわち、実質経済成長率はゼロあるいはマイナスになる可能性が高い。
2014年度はゼロまたはマイナス成長――消費税増税より大きい公共投資減の影響
第7回
2014年の日本経済の動向はユーロ情勢が握る
野口悠紀雄
2014年も、日本経済は為替レートの動向によって大きく左右されるだろう。為替レートの動向を握るのは、国際的な投資資金の動きである。以下では、この数年間にいかなる動きがあったかを分析し、今後の動向を探る。
2014年の日本経済の動向はユーロ情勢が握る
第6回
日銀短観は、経済好循環を示していない――DIという指標が独り歩きする
野口悠紀雄
日銀短観の全産業業況判断(DI)が改善し、景気が回復に向かっていると一般的には解釈されている。しかし、DI算出のメカニズムを見ていくと、そうはいえない面が多い。実質的には、景況感は為替レートの状態が大きく反映され、公共投資によって支えられているのである。
日銀短観は、経済好循環を示していない――DIという指標が独り歩きする
第5回
円安による原材料費増は誰が負担しているか?
野口悠紀雄
円安は輸入価格を上昇させるので、これがどう負担されるかは大きな問題である。転嫁がどの程度なされたか、負担はどの程度増えたか等に関する定量的な把握が必要だ。円安による負担の増加率を業種別に細かく分析し、最終的に消費者への負担度合いを導く。
円安による原材料費増は誰が負担しているか?
第4回
経済悪化を明確に示す法人企業統計――売上げが伸びず、利益、設備投資は前期比で減少
野口悠紀雄
12月9日に発表された2013年7-9月期のGDP(国内総生産)速報(2次速報値)では、実質GDPの対前期比増加率が、大きく下方修正された。日本経済に「好循環」は生じていないことが、はっきりと示された。
経済悪化を明確に示す法人企業統計――売上げが伸びず、利益、設備投資は前期比で減少
第3回
日米金利差で説明できなくなった円ドルレート 円安をもたらしたのは、ユーロ情勢の変化か、投機か?
野口悠紀雄
為替レートや株価は、今年の春以降ほぼ膠着状態にあったが、11月中旬以降、円安が進み株価が上昇している。これは、新しいトレンドになるのだろうか? 以下では、為替レート変動の要因について考えることとしたい。
日米金利差で説明できなくなった円ドルレート 円安をもたらしたのは、ユーロ情勢の変化か、投機か?
第2回
マネーストックは増えていない。データが裏付ける期待バブルの崩壊
野口悠紀雄
金融緩和政策によって日本経済の状況が改善していると考えている人が多い。しかし、こうした見方は、データによって裏付けることはできない。消費税増税前の駆け込み需要と、従来型の公共事業拡大によって支えられているだけだ。
マネーストックは増えていない。データが裏付ける期待バブルの崩壊
新連載 第1回
【新連載】アベノミクスの“本質的誤り”を証明するGDP速報
野口悠紀雄
GDP速報値の内容は、「経済の好循環が始まった」という政府日銀の説明とは大きく異なる。実質消費の伸びは、増税前の駆け込み需要と公共事業だけであり、アベノミクスが本格稼働した4月以降の成長率が2期連続して鈍化しているのである。
【新連載】アベノミクスの“本質的誤り”を証明するGDP速報
第29回
利益は増えたが、雇用や生産は拡大せず
野口悠紀雄
上場企業の2013年9月中間決算は大幅な利益増となった。しかしこれをもって、日本経済が回復しているとは言えない。 統計データを精査してみると、利益増は円安によるものであり、雇用も増えておらず、生産はリーマンショック前と比べて大きく落ち込んだままであることがわかる。
利益は増えたが、雇用や生産は拡大せず
第28回
賃金引き上げのために何が必要か
野口悠紀雄
賃金の引き上げが重要な政策課題として論議されている。物価より賃金を上げることが重要だという当然のことが、やっと認識されるようになったことは歓迎している。しかし、そのための政府の方策は見当違いである。
賃金引き上げのために何が必要か
第27回
消費者物価上昇率のプラス転換をどう評価するか?
野口悠紀雄
消費者物価が上昇の兆しを見せたとして、「デフレ脱却」というメディアの論調があるが、間違いだ。物価上昇は輸入物価の上昇、特にリーマンショック以降のエネルギーコストの上昇による影響が大きい。このことは、国民生活に何ら好影響を与えない。
消費者物価上昇率のプラス転換をどう評価するか?
第26回
円安にもかかわらず過去最高となった貿易赤字
野口悠紀雄
貿易統計の9月分と2013年度上半期(4~9月)分が発表された。普通であれば、円安は貿易黒字を増大させるはずだ。しかし、実際にはまったく逆のことが起こっているのである。今回は、この背景を分析することとしたい。
円安にもかかわらず過去最高となった貿易赤字
第25回
日本経済を示すデータは成長ではなく停滞に向かっている
野口悠紀雄
日本経済が順調な成長過程に入ったとの意見が多い。法人企業統計を中心としたデータを見ることによって、そうした見方が裏付けられるかどうかを検討する。そして「景況感が回復しているのは大企業に偏っている」などの諸点を指摘する。
日本経済を示すデータは成長ではなく停滞に向かっている
第24回
賃金下落のメカニズム:製造業の縮小が原因
野口悠紀雄
安倍政権は「経済政策パッケージ」で、5兆円規模の補正予算案を編成することに加え、収益を賃金で従業員に還元する企業に税制で支援する「所得拡大促進税制」を拡充する案を表明した。その背景にある「賃金低下」の原因は何か。
賃金下落のメカニズム:製造業の縮小が原因
第23回
異次元緩和政策は、国債を当座預金に変えただけ
野口悠紀雄
異次元緩和によってマネタリーベースは著しく増えたが、マネーストックはそれほど増えなかった。その意味で、異次元緩和は空回りしている。これは、貸出が増えないからだ。では、銀行の資産構成は、異次元緩和によってどう変化したのだろうか?
異次元緩和政策は、国債を当座預金に変えただけ
第22回
銀行の貸出増加は、住宅の駆け込み需要がもたらしたもの
野口悠紀雄
マネタリーベースの増加にもかかわらず、マネーストックがあまり伸びていない。つまり、金融緩和政策は、期待どおりの機能を発揮していない。こうなる原因は、貸出が期待どおりに増えないからである。以下では、この状況を見ることとする。
銀行の貸出増加は、住宅の駆け込み需要がもたらしたもの
第21回
金融緩和政策の空回りは続いている
野口悠紀雄
4月から開始された「異次元金融緩和政策」は効果を発揮しているのか。検証していくと、金融緩和による直接の結果として増えているはずの「マネーストック」が、実際には思うほど増えていないことがわかる。よって異次元金融緩和策は、「空回り」していると言わざるを得ない。
金融緩和政策の空回りは続いている
第20回
GDP成長も設備投資も公共事業に依存している
野口悠紀雄
4~6月期の国内総生産(GDP)第2次速報値は、実質で前期比0.9%増、年率換算で3.8%増となった。「金融緩和政策がいよいよ実体経済に影響を与え、経済の好循環が始まった」と感じている人が多い。しかし、実際に生じていることは、そうしたイメージとはまったく異なる。
GDP成長も設備投資も公共事業に依存している
第19回
物価上昇率が高まれば、実質消費が減少する
野口悠紀雄
政府と日銀が進める「デフレ脱却=インフレ率の上昇が望ましい」という考えは、大いに疑問だ。物価上昇による実質消費の減少は、消費税の増税による影響に匹敵するほど大きいのだ。
物価上昇率が高まれば、実質消費が減少する
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