
真壁昭夫
Googleを退社した“AIの父”が唱える脅威論…その根拠が正論すぎてぐうの音もでない
2024年のノーベル賞では、「人工知能」(AI)関連の受賞が目立った。「AIのゴッドファーザー」と呼ばれる物理学賞の受賞者は、「AIが人類の脅威になり得る」と警告を発している。一方、経済学賞の受賞者は「AIが奪う仕事は思ったほど多くない」と指摘する。ChatGPTを発表した米オープンAIが約1兆円を調達するなど、IT企業のAI投資が加速する中、人類とAIはどのように発展していくのだろうか。

中国の不動産バブル崩壊「大都市」と「地方都市」の根本的な違い
中国政府が9月下旬に大規模な経済対策を発表したことで、株式市場は敏感に反応。上海と深セン取引所では合計約53兆円に上る過去最高取引額を更新した。10月初旬の大型連休中には、「大都市でマンション購入を検討する人が増えた」というニュースが出回ったことも、不動産市況の悪化に歯止めがかかるかもしれないとの期待を抱かせる。しかし、中国経済が上向くかどうかは依然として不透明だ。不動産バブル崩壊の負の影響は、大都市より、地方都市で深刻だからだ。

中国で「住宅ローン金利引き下げ」「現金給付」も効果なし…中国国民を苦しめる“2つの問題点”とは?
中国で国民の消費者心理が統計開始以来、過去最低の水準に落ち込んでいる。それに加えてマクロ経済の最新データも軒並み悪化し、まさに経済は“八方ふさがり”だ。追い込まれた政府は新たな政策パッケージを導入し、景気回復を狙っているが、肝心な取り組みが欠落していることを指摘したい。

内幕を知ってゾッとする…中国で「60円朝食」が流行する深刻なワケ
中国の不動産大手88社が1~6月期決算で最終赤字に沈んだ。習近平国家主席の下、政府は金融緩和や景気刺激策を加速させているものの、住宅在庫の処理には「140兆円を上回る資金が必要」と指摘されており、まだ有効な対策を打ち出せていない。不況による節約志向の高まりから、「3元(約60円)朝食」を出す地場チェーンの人気が急上昇し、ピザハットやマクドナルドなど外資系も格安メニューを投入せざるを得なくなっている。バブルから一転、デフレ・マインドの浸透により、中国経済は、わが国が経験した長期低迷の暗闇に、足を踏み入れつつあるように見える。

中国の年金がヤバイ!「建国以来の大改革」でも不安が消えないワケ
中国政府は、退職年齢(定年)の引き上げを決めた。男性は60歳から63歳へ、女性労働者は50歳から55歳に、女性のホワイトカラーは55歳から58歳へ、段階的に引き上げる。主な狙いは、年金の財源確保だ。定年引き上げとセットで社会保険料の最低支払期間を延長する。1960年、中国の平均寿命は約44歳だったが、2021年には78歳となった。一人っ子政策による深刻な少子高齢化問題を解決するためにも、建国以来、初となる本格的な社会保障制度の改革に迫られたわけだ。しかし、不動産バブル崩壊による足元の不況に加えて、中国ならではの「ある死角」が、改革の行く手を阻むだろう。

意味がわかるとゾッとする…中国で「60円ショップ」が流行り始めた理由
中国は不動産バブル崩壊後、景気刺激策に6兆円もの巨費を投じているが、さほど効果が出ていない。一方で、IT大手アリババが、低価格商品専門アプリの実店舗チェーンを展開するなど、庶民の節約トレンドに合わせた新戦略で攻める企業も出てきている。ただし、値下げ競争で企業が疲弊すると、倒産が増えることも考えられる。紛れもなく中国はデフレ・スパイラルの入り口に足を突っ込んでいる。

「もう損したくない!」株価に二番底リスクで個人投資家が悲鳴、今夏の乱高下から学ぶ“備え”とは?
週明け9月9日の日経平均株価は一時1100円を超える下落となった。8月5日に日経平均が約4400円も下落したことで、「含み損」を抱えた個人投資家も多いだろう。10月にも再び株価が暴落する「二番底」が到来する可能性も指摘される中、個人投資家はどのように頭と心を切り替えれば良いのだろうか。

「リーマンより厳しい」中国不動産バブル崩壊の惨状、習近平政権の「ズレてる」政策で不況悪化か
中国の不動産価格下落に歯止めがかからない。かつて中国の不動産投資はGDPの約29%に達した。鉄鋼やセメント、建設機械や家電、自動車などの関連需要が増え、小売りや飲食、宿泊、交通などのサービス業も成長した。地方政府も潤い、まさに不動産を中心に経済が好循環していた。しかし、今はそれが逆回転している状況だ。政府は国有・国営企業に補助金を出し、低価格のモノを大量生産して景気回復を試みている。が、中国宝武鋼鉄集団のトップは、「リーマンショック時よりも状況は厳しい」という。中国にまず必要な政策とは何か。

狙われたセブン、買収案は回避できるか?阻止する「救世主」が日本政府になりそうなワケ
セブン&アイ・ホールディングスがカナダの流通大手から買収提案を受けた。実現すれば海外企業による日本企業買収としては最大級となる見通し。今後の注目は、セブン&アイがどう動くかはもちろん、わが国政府が、経済安全保障の観点から本件をどう判断するかだ。コンビニやスーパーは国民生活に欠かせないインフラであり、外資による買収に慎重な姿勢を示す可能性もある。

経済学者が「ポスト岸田」に提言!自民党総裁選で誰が勝っても絶対やるべきこと
自民党は岸田首相の後任を選ぶ総裁選挙を、9月12日に告示し27日に投開票を行う方針だと報じられた。立候補者の多さ、告示期間の長さともに異例の展開だという。国政がさまざまな課題を抱える中で、人口減少などに端を発して日本経済が「限界」を迎えていることは明らかである。人々の労働意欲を高め、企業の生産性を上げ、経済の持続的な回復を目指すにはどうしたらいいのか。

マイクロソフトやインテルにがっかり…有力投資家たちがAI関連企業に失望し始めたワケ
世界同時株安の背景には、加熱気味だった投資家の誤解や失望がある。マイクロソフトやインテルなど、大手AI関連企業は設備投資を積み増してきたが、その収益化には時間がかかることが分かったのだ。。米国の景気減速によって、一部の有力投資家は、割高感のある米国株を売り、現金で滞留させたり、一部を金(きん)に振り向けたりしている。株価下落と対照的に金価格がリーマンショック後の高値を更新したことは、世界経済の先行き不安の高まりを示唆している。

ホンダ・日産・三菱自の結集に透ける危機感…中国「完全撤退」が言うほど簡単じゃないワケ
ホンダと日産自動車が8月1日、ソフトウエアの基礎技術の共同研究などを進めると発表した。この枠組みには三菱自動車工業も参画する。3社で連携を深め、開発スピードを加速できるかが課題だという。その1週間前にホンダは、中国におけるガソリン車の生産能力を削減する方針も明らかにしている。ホンダ×日産の連合に、三菱自動車が合流する背景には何があるのか。共通する危機感とは。

AI・半導体トップ銘柄「エヌビディア」の独走を止める!?M&A加速でその座を狙う「ライバル候補」の実名
7月26日の米ニューヨーク市場でハイテク関連の銘柄などが上昇したことを受け、29日の東京株式市場は取り引き開始直後から半導体などの銘柄に買い注文が集まった。7月末~8月頭にかけて、マイクロソフトやメタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン・ドット・コムなどが決算を発表する。業績が好調で半導体需要の底堅さが分かれば、ハイテク株は一段と買い戻される可能性が高まる。中でも注目は一時、時価総額が世界トップに躍り出たエヌビディアだ。AI分野で独走する同社であるが、その勢いを削ごうとする「ライバル候補」の存在も見逃せない。

Windowsのシステム障害、セキュリティベンダーの「やらかし」から日本企業が学ぶべきこと
まるでSF映画のように世界同時多発システムダウンの危機が襲った、マイクロソフト・ウィンドウズのシステム障害。原因は、米国のクラウドセキュリティー企業であるクラウドストライクが配信したソフトにあった。日本航空やUSJなどで障害が発生した他、世界の航空便5000便以上が欠航するなど、各業界に甚大な影響を及ぼした。保険業界では、補償額が数百億ドル(数兆円規模)に達するとの警戒が高まっているという。AI時代のリスクを、どの業界の企業もいま一度、冷静に見直す時が来ている。

止まらない超円安、潮目を変えられる「たった1人」の人物とは?
円安に歯止めがかからない。対ドル、ユーロはおろか、中国の人民元に対しても円は売られ、韓国のウォンに対しても円は軟調だった。インドネシアやタイ、マレーシア、フィリピン、チリ、トルコなど新興国通貨と比較しても円は弱含みで推移した。“円独歩安”状態で、政府・日銀は為替介入を繰り返すものの、その効果は限定的だ。ただし、米大統領選でトランプ氏が当選した場合、米国の為替政策が「ドル安重視」に傾く可能性はある。

富裕層と若者の国外脱出が止まらない中国、移住先に日本が選ばれる当然の理由
中国から脱出する国民が増えている。富裕層だけでなく、一般庶民も海外移住を志向する人が増えているようだ。中国は不動産バブル崩壊、若年層の雇用・所得環境の悪化をはじめデフレ経済が深刻化している。政府は補助金を支給し、安価な電気自動車や車載用バッテリー、太陽光パネル、鉄鋼などの生産を増やして景気回復を狙うが、過剰生産能力を膨張させる政策が持続できるとは考えづらい。また、政府がSNSや金融取引の監視を強化していることも、人々の不満が増える要因になっている。

エヌビディアCEOが30年前からGPUにこだわる理由、「先見の明」の裏にある意外な趣味とは?
AI分野で独り勝ちなのが、GPU(画像処理半導体)の企画・開発・設計を行う米エヌビディアだ。同社は、データセンター向け高性能AIチップの約9割のシェアを独占しているとみられる。エヌビディアの競争力の源泉は何か。独走は、いつまでも続くのか。

味の素にキユーピー…食品大手が「紙の伝票」と決別!競合との「データ連携」に踏み切るワケ
食品大手8社と卸売企業は物流データで連携する。伝票に書いていた情報を電子化し、データを複数企業が共同で管理するという。従来の商習慣を打破する画期的な動きだ。伝票主義の慣行は、トラックドライバーの長時間勤務の一因にもなっていた。中小の物流事業者では経営破綻も増えている。AI(人工知能)も活用した効率化に急ぎ全力で取り組まなければ、わが国の物流機能の維持はもう限界だ。

トヨタにホンダまで!自動車メーカーの経営が「コンプラ順守」を叫んでも、現場が結局「不正」を起こすワケ
主要自動車メーカーの全てで品質・認証の不正問題が起きている。各社の問題発生に共通するのは、技術に対する過信や審査に対する慣れなど心理の影響だ。現場の技術者は皆、審査の重要性を軽視したのだろう。そのため、経営者も「認証試験は現場の判断に任せて良い」といった経営判断が続いたとみられる。生産の現場から経営トップ層まで、現状の生産管理、認証の体制に不備はないという一種のバイアスが強まったと考えられる。また、人手不足で認証体制の強化に影響があったかもしれない。

住宅ローン金利が約13年ぶりに引き上げ!個人が身を守るために準備すべきこと
6月から、大手行やネット銀行は固定型の住宅ローン金利を引き上げた。3メガバンクの10年固定型の基準金利は3.89%(平均)、0.08%上昇する。これは約13年ぶりの水準だ。6月13~14日に予定する金融政策決定会合では、日銀が追加の利上げを実施するとの予想もある。金利上昇により企業の淘汰が加速し、倒産が増加する懸念は否めない。金利上昇リスクから自らの身を守るために、個々人が金利に対する発想を切り替えたいものだ。
