
真壁昭夫
半導体の王者から“劣等生”へ…インテルCEO解任が「日本の半導体産業の再興」を予感させるワケ
2024年7~9月期まで、インテルは3四半期連続で最終赤字に陥っている。そして12月1日付で、同社のゲルシンガーCEO事実上の解任となった。かつて半導体業界の盟主であったインテルに、何が起きているのだろうか。目まぐるしく変わる半導体産業において、日本勢が強みを発揮し生き残る術とは。

トランプとマスクが「ケンカ別れ」するXデー、蜜月に水を差す重大リスクとは
ドナルド・トランプ氏とイーロン・マスク氏の関係が親密度を増している。一方で、マスク氏がトランプ氏をうまく使っている、あるいは操っているとの見方すらある。規制緩和で方針が一致しているようにみえる二人だが、中国を巡る見解がどう収束するかは予断を許さない。米国ファーストと関税を重視するトランプ氏。自らのビジネスの成長を重視するマスク氏。両者の関係性が、世界の政治、経済、安全保障を不安にするリスクを抱えている。

ドラえもんの実現に欠かせない技術って?「評価額1500億円」の関連スタートアップも!
AIが「空間認知」能力を持つと、まさに「ドラえもん」のように特定の人物の声に耳を傾け、感情を理解するITデバイスが登場することになろう。この分野で注目の研究者が、グーグル出身、現在はスタンフォード大学にて「人間中心のAI研究所」共同所長を務め、「AIのゴッド・マザー」と呼ばれる人物だ。

日産が「モノ言う株主」の食い物にされる日…「売れる車がない」「安易なリストラ」の元凶はゴーンか現経営陣か
かつて日産自動車には、ファンを魅了する人気モデルがあった。「スカイライン」は、モデルごとに“ハコスカ”、“ケンメリ”などと呼ばれ、多くの若者の支持を得た。「ブルーバード」も、スーパースポーツセダンタイプを投入したことで人気が高まった。しかし、今の日産には、「欲しいと思う車が見当たらない」と指摘されている。魅力あるクルマを造るDNAが十分に発揮されていないか、そもそもそうしたDNAを失ってしまったのか――。経営悪化の元凶は何か。「モノ言う株主」の増加は、今後どんな影響をもたらすのか。

「トヨタとNTTの提携」が失敗なら日本経済に大ダメージ…教訓にすべき“iモードの失敗”とは
トヨタ自動車とNTTがAI・通信の共同取り組みに合意した。ソフトウエアの進歩により、自動車、家電などハードウエアの既成概念、常識が変わりつつある。特定の機能を提供するモノの生産に固執していては、企業の長期存続は難しくなるだろう。世界では米テスラがロボタクシーを発表し、マイクロソフトは3兆円を投じてAIの競争力向上を目指している。海外戦略の重要性も高まる中、教訓になるのは、「iモードの失敗」だろう。わが国企業の優位性=「モノづくり力」を維持するには、どうしたらいいのか。

「トランプ相場」で株高は続くのか?真っ先に株価が反応した「業種」とは
トランプ氏の米大統領選“圧勝”に、先物取引も、日米の金利差も、ドル円も敏感に反応している。東京株式市場では、トランプ氏が掲げる関税引き上げにより世界の貿易量が低下するとの懸念から、海運銘柄が下落した。米国の政策が今後どうなるかは非常に読みにくいが、共和党の政策綱領にヒントがある。主な6点から経済分野にフォーカスし、電気自動車や半導体、米中貿易摩擦などで起こり得るリスクを解説する。

セブン&アイ「外資の買収提案」と「国民のインフラ防衛」を両立する、たった1つの方法とは?
セブン&アイ・ホールディングスが、カナダの流通大手から友好的買収を提案されたのが8月。その後の買収額の引き上げに対抗するかのように、10月中旬には「2030年度に世界売上高30兆円」を打ち出した。セブン&アイの存在意義とは何だろうか? 社会的責務を果たすためには、今後、同社が国内事業と海外事業を分離する展開も考えられるはずだ。

笑えない…!中国の「独身の日」セールが2024年に限って前倒しになったワケ
中国政府の経済政策に、多くの投資家が右往左往している。政府は9月下旬、大規模な景気対策を矢継ぎ早に発表。初動反応として一時的に中国株は上昇し、欧米の株式市場でも中国関連株が強含みとなっていた。しかし10月に入ると、一転して中国株や資源国、新興国などの金融資産の価格上昇ペースが鈍化し始めた。中国のネット通販企業が、11月11日の「独身の日」関連セールを、2024年に限って前倒しでスタートしたことは、デフレ圧力の高まりを示しているだろう。

Googleを退社した“AIの父”が唱える脅威論…その根拠が正論すぎてぐうの音もでない
2024年のノーベル賞では、「人工知能」(AI)関連の受賞が目立った。「AIのゴッドファーザー」と呼ばれる物理学賞の受賞者は、「AIが人類の脅威になり得る」と警告を発している。一方、経済学賞の受賞者は「AIが奪う仕事は思ったほど多くない」と指摘する。ChatGPTを発表した米オープンAIが約1兆円を調達するなど、IT企業のAI投資が加速する中、人類とAIはどのように発展していくのだろうか。

中国の不動産バブル崩壊「大都市」と「地方都市」の根本的な違い
中国政府が9月下旬に大規模な経済対策を発表したことで、株式市場は敏感に反応。上海と深セン取引所では合計約53兆円に上る過去最高取引額を更新した。10月初旬の大型連休中には、「大都市でマンション購入を検討する人が増えた」というニュースが出回ったことも、不動産市況の悪化に歯止めがかかるかもしれないとの期待を抱かせる。しかし、中国経済が上向くかどうかは依然として不透明だ。不動産バブル崩壊の負の影響は、大都市より、地方都市で深刻だからだ。

中国で「住宅ローン金利引き下げ」「現金給付」も効果なし…中国国民を苦しめる“2つの問題点”とは?
中国で国民の消費者心理が統計開始以来、過去最低の水準に落ち込んでいる。それに加えてマクロ経済の最新データも軒並み悪化し、まさに経済は“八方ふさがり”だ。追い込まれた政府は新たな政策パッケージを導入し、景気回復を狙っているが、肝心な取り組みが欠落していることを指摘したい。

内幕を知ってゾッとする…中国で「60円朝食」が流行する深刻なワケ
中国の不動産大手88社が1~6月期決算で最終赤字に沈んだ。習近平国家主席の下、政府は金融緩和や景気刺激策を加速させているものの、住宅在庫の処理には「140兆円を上回る資金が必要」と指摘されており、まだ有効な対策を打ち出せていない。不況による節約志向の高まりから、「3元(約60円)朝食」を出す地場チェーンの人気が急上昇し、ピザハットやマクドナルドなど外資系も格安メニューを投入せざるを得なくなっている。バブルから一転、デフレ・マインドの浸透により、中国経済は、わが国が経験した長期低迷の暗闇に、足を踏み入れつつあるように見える。

中国の年金がヤバイ!「建国以来の大改革」でも不安が消えないワケ
中国政府は、退職年齢(定年)の引き上げを決めた。男性は60歳から63歳へ、女性労働者は50歳から55歳に、女性のホワイトカラーは55歳から58歳へ、段階的に引き上げる。主な狙いは、年金の財源確保だ。定年引き上げとセットで社会保険料の最低支払期間を延長する。1960年、中国の平均寿命は約44歳だったが、2021年には78歳となった。一人っ子政策による深刻な少子高齢化問題を解決するためにも、建国以来、初となる本格的な社会保障制度の改革に迫られたわけだ。しかし、不動産バブル崩壊による足元の不況に加えて、中国ならではの「ある死角」が、改革の行く手を阻むだろう。

意味がわかるとゾッとする…中国で「60円ショップ」が流行り始めた理由
中国は不動産バブル崩壊後、景気刺激策に6兆円もの巨費を投じているが、さほど効果が出ていない。一方で、IT大手アリババが、低価格商品専門アプリの実店舗チェーンを展開するなど、庶民の節約トレンドに合わせた新戦略で攻める企業も出てきている。ただし、値下げ競争で企業が疲弊すると、倒産が増えることも考えられる。紛れもなく中国はデフレ・スパイラルの入り口に足を突っ込んでいる。

「もう損したくない!」株価に二番底リスクで個人投資家が悲鳴、今夏の乱高下から学ぶ“備え”とは?
週明け9月9日の日経平均株価は一時1100円を超える下落となった。8月5日に日経平均が約4400円も下落したことで、「含み損」を抱えた個人投資家も多いだろう。10月にも再び株価が暴落する「二番底」が到来する可能性も指摘される中、個人投資家はどのように頭と心を切り替えれば良いのだろうか。

「リーマンより厳しい」中国不動産バブル崩壊の惨状、習近平政権の「ズレてる」政策で不況悪化か
中国の不動産価格下落に歯止めがかからない。かつて中国の不動産投資はGDPの約29%に達した。鉄鋼やセメント、建設機械や家電、自動車などの関連需要が増え、小売りや飲食、宿泊、交通などのサービス業も成長した。地方政府も潤い、まさに不動産を中心に経済が好循環していた。しかし、今はそれが逆回転している状況だ。政府は国有・国営企業に補助金を出し、低価格のモノを大量生産して景気回復を試みている。が、中国宝武鋼鉄集団のトップは、「リーマンショック時よりも状況は厳しい」という。中国にまず必要な政策とは何か。

狙われたセブン、買収案は回避できるか?阻止する「救世主」が日本政府になりそうなワケ
セブン&アイ・ホールディングスがカナダの流通大手から買収提案を受けた。実現すれば海外企業による日本企業買収としては最大級となる見通し。今後の注目は、セブン&アイがどう動くかはもちろん、わが国政府が、経済安全保障の観点から本件をどう判断するかだ。コンビニやスーパーは国民生活に欠かせないインフラであり、外資による買収に慎重な姿勢を示す可能性もある。

経済学者が「ポスト岸田」に提言!自民党総裁選で誰が勝っても絶対やるべきこと
自民党は岸田首相の後任を選ぶ総裁選挙を、9月12日に告示し27日に投開票を行う方針だと報じられた。立候補者の多さ、告示期間の長さともに異例の展開だという。国政がさまざまな課題を抱える中で、人口減少などに端を発して日本経済が「限界」を迎えていることは明らかである。人々の労働意欲を高め、企業の生産性を上げ、経済の持続的な回復を目指すにはどうしたらいいのか。

マイクロソフトやインテルにがっかり…有力投資家たちがAI関連企業に失望し始めたワケ
世界同時株安の背景には、加熱気味だった投資家の誤解や失望がある。マイクロソフトやインテルなど、大手AI関連企業は設備投資を積み増してきたが、その収益化には時間がかかることが分かったのだ。。米国の景気減速によって、一部の有力投資家は、割高感のある米国株を売り、現金で滞留させたり、一部を金(きん)に振り向けたりしている。株価下落と対照的に金価格がリーマンショック後の高値を更新したことは、世界経済の先行き不安の高まりを示唆している。

ホンダ・日産・三菱自の結集に透ける危機感…中国「完全撤退」が言うほど簡単じゃないワケ
ホンダと日産自動車が8月1日、ソフトウエアの基礎技術の共同研究などを進めると発表した。この枠組みには三菱自動車工業も参画する。3社で連携を深め、開発スピードを加速できるかが課題だという。その1週間前にホンダは、中国におけるガソリン車の生産能力を削減する方針も明らかにしている。ホンダ×日産の連合に、三菱自動車が合流する背景には何があるのか。共通する危機感とは。
