
桃田健史
第34回
ついに、あの国家プロジェクトが本格始動した。日本の行方を左右するスマートグリッドの大実験である。場所はかの米国ロスアラモス。現場を取材すると、大きな期待を感じると同時に様々な疑問がわいてきた。

第33回
プリウスのブレーキに関する「フィーリングの問題」は、なぜ大騒ぎになったのか。その背景には、日米の車の使い方に関する大きな差が横たわっている。

第32回
トヨタ・リコール問題を受けて、世間はトヨタ車の品質は地に堕ちたといわんばかりの雰囲気だ。だが、果たしてそうなのか。そもそも車の品質とは?ヒステリックなトヨタ叩きは止めて、冷静に考えてみよう。

第31回
トヨタ報道にかき消され注目度こそ低いが、日本の政府系機関と企業がタッグを組む巨大プロジェクトが米国で動き出した。日本の成長戦略の切り札と目されるスマートグリッドだ。海の向こう側でわざわざ実験に乗り出した理由とは?

第30回
「あれじゃ、トヨタが可哀相だ」「プリウスは(技術面で見れば)リコールする必要などない」トヨタ自動車のリコール騒動が波紋を広げるなか、米国で過激なバッシングが起きている現状に対して、今度は擁護論が噴出し始めた。擁護論を唱えているのは、日本の自動車業界関係者、特に技術系の関係者だ。なかには、的を射ている主張も少なくない。そこで今回は、著者のトヨタに関する過去の取材経験をもとにして、トヨタ・リコール問題の本質を探ってみよう。

第29回
既存メーカーを脅かす存在との触れ込みで彗星の如く現れた電気自動車メーカーのフィスカーとテスラ。日本企業の中にも商社を中心に二社との連携を模索しているところは多い。だが、その実力はとても太鼓判を押せるようなものではない。

第28回
トヨタがくしゃみをすれば、日本が風邪を引く。この構図は実はまだ変わっていない。そして今回の世界的な大規模リコール問題。第二のトヨタショックは、リーマンショック時とは別の形で今、日本を襲おうとしている。

第27回
日産自動車が技術の粋を集め開発中の量産型電気自動車(EV)「リーフ」に試乗した。はっきり言って、その出来栄えに驚いた。ハイブリッド車で後塵を拝した同社にとってEVは文字通り乾坤一擲の大勝負なのだろう。

第26回
フォードとマツダが中国合弁を解消――。1月17日の日経新聞の報道は、二社の“離婚”をも想起させた。しかしその後どうも真相は単なる生産体制の変更であることが分かってきた。日経の憶測だったのか。それとも…。真相を探ってみた。

第25回
宿命のライバルと目されるトヨタとホンダだが、他社が電気自動車に走る中、当面はハイブリッド車の普及に大きな期待を寄せる姿勢は実は似通っている。つまりまずはハイブリッド車のさらなる普及に努め、随時プラグインハイブリッドを投入し、電気自動車については米カリフォルニア州規制対応などで一応量産は開始するが本格普及は相当先になる、とするロードマップが同じなのである。極寒の中、1月初旬に開催されたデトロイト・モーターショーで両社首脳陣が見せた呉越同舟の意外な可能性とは?

第24回
鳩山政権の新成長戦略には、次世代自動車の文字こそあれ、自動車産業自体の可能性への言及は皆無に等しかった。それもそのはず、国内市場の収縮スパイラルは深刻化する一方だ。もはや昔に戻れるとのノスタルジーは禁物だ。

第23回
ホンダ=BMWと言われても、日本人にはチンプンカンプンだろう。だが新興国では、まさにそれがホンダのイメージだ。新興国市場を巡っていると、「一般の日本人には到底理解も想像もできないようなホンダのイメージ」が浸透していることに驚かされる。これはけっして、給与水準で比較して新興国が先進国(日米と旧西欧)より低いため「舶来品が押し並べて高級品」という解釈ではない。あくまでも、ホンダ単体のイメージが「BMWっぽい高級感」なのだ。その背景には、どんな理由があるのか? 中国で新たに導入する「理念」ブランドの狙いと合わせて、ホンダの海外戦略を探った。

第22回
物は言いようとはこのことか。GMが最近、とんでもないことを言い出した。来年投入するプラグインハイブリッド車を“電気自動車”と呼び始めたのだ。プリウス対抗は明白。手負いの虎の「死に物狂い」の反撃にトヨタはどう出る?

第21回
スズキと独フォルクスワーゲン(VW)が提携し、世界最大の自動車連合を形成することになった。ハイブリッド車での協業は最優先の命題ではあるまい。真相を読み解くヒントは、翌日のトヨタの記者発表にあった。

第20回
GM工場の買収で一躍、米国内で“救世主”扱いされている新興自動車メーカーのフィスカー。調べれば調べるほど分かるオバマ民主党政権との太いパイプ。この会社、国有企業GMの“先兵”である可能性が出てきた。

第19回
戦後日本人がコツコツと作り上げてきた国内自動車製造業が存亡の危機にある。円高だけが理由ではない。真の破壊神は、模倣品問題を抱えたまま急成長する中国発の負の連鎖だ。これが、日本を襲う最悪の近未来シナリオである。

第18回
全需の拡大ペースに対して販売台数がいま一つ伸びてこないトヨタの中国事業。広州モーターショーでは、フルラインナップ強化で巻き返しに挑む姿勢を改めて示した。総合力は果たして中国で武器となるのだろうか?

第17回
第7回中国広州モーターショーが11月24日開幕した。参加企業は東京モーターショーのなんと6倍!あまりに大きな彼我の差に、自動車業界関係者の間からは、東京モーターショー不要論まで飛び出してきた。

第16回
経産省の主唱で、日の丸自動車産業の次世代戦略を議論する産官学の会議が発足した。意気込みは正しい。だが問題はその議論の前提だ。今回は経産省の増子副大臣に宛てたオープンレターの形式で、同会議への提案を伝えたい。

第15回
燃料電池車は別として、いわゆる電気自動車にいまひとつ乗り気でなかったホンダに微妙な変化が見られ始めた。東京モーターショーで披露されたEV-Nはその一例だ。米中の動き如何では、一気呵成に攻めに転じる可能性もある。
