
桃田健史
第94回
リーマンショックの直撃を受け、主催者の予想を遥かに下回る出展者数、入場者数となった前回2009年の東京モーターショー。あれから2年、今回は有明の東京ビッグサイトに会場を移し、1987年以来24年ぶりの東京都内開催となる。

第93回
11月17日、LAオートショーの模様が日本でも報じられた。内容は概ね、『ホンダ・フィットEVの量産車が初登場。これを契機に、アメリカでのエコカー普及が進む』という軽いタッチだったが、筆者が現場で詳しく取材してみると、アメリカの電気自動車市場での変動を強く感じた。

第92回
今年も、世界最大級と称される自動車アフターマーケット見本市「SEMAショー」が開催された。会場ではアメリカ車が目立ち、アメリカで一時、社会現象化した、若者向けの「ジャパニーズ・チューニングカー」たちの存在感は極めて薄かった。

第91回
マツダがディーゼル車による日本国内市場拡大という「難題」に真正面から挑む。ディーゼル乗用車は過去10年強、日本では「タブー視」されてきた。同社にとっては、「新世代ディーゼルのマツダ」として日本国内市場でスタンドアウトする絶好のチャンスとも言える。

第90回
CEATEC JAPAN2011でのコンファレンス「新しいエネルギー、EV(電気自動車)」は、予定開始時刻を10分ほど過ぎて始まった。壇上には、日産自動車COO志賀俊之氏、三菱自動車社長の益子修氏。司会は自身も三菱「i-MiEV」オーナー歴2年というキャスター・木村太郎氏だ。

第89回
なぜドイツは、ハイブリッド・EV不毛の地といわれるのか。その理由は、アウトバーンとニュルブルクリンクを走れば、皮膚感覚で理解していただけると思う。マツダはその理解のもとで、欧州において、ある勝負に出た。

第88回
トヨタとフォードが小型トラックやSUV向けの新型ハイブリッドシステムの共同開発で手を組んだ。公表された提携内容を見ると、主役はまるでフォードのようだ。なぜこの分野で圧倒的優位なはずのトヨタが一歩引かなければならないのか。

第87回
経営破綻から2年。不採算事業を整理し、GMが再び攻勢をかけている。2011年上期にはフォルクスワーゲンとトヨタを押さえて世界販売台数で1位に復活。果たしてこの勢いは本物なのか。

第86回
「新スリーター」なる言葉をご存じだろうか。宅配便などで使われる3輪バイクの俗称「スリーター」からヒントを得た言葉で、リアカーを電動アシスト自転車で牽引する車両のことだ。ヤマト運輸の造語であり、業務用電動アシスト自転車の今後の可能性を示している。

第85回
本連載で繰り返し取り上げてきた「超小型モビリティ」。軽よりも小さい超小型の電動移動体は果たして日本の強みとなり得るのだろうか。関係者への取材から、この新規分野への正しい期待の持ち方を探った。

第84回
中国の山東省で、廉価な超小型電気自動車が大量に生産・販売されていることをご存じだろうか。日本の輸送業界にとって、これは思わぬ伏兵となる可能性がある。

第83回
電気自動車の蓄電池から電気を取り出し、電力系統に戻す。いわゆる「逆潮流」技術が電力不足の中、注目を集めている。しかし普及の現実性はどこまであるのか。トヨタ、日産など大手自動車メーカーの本音を探った。

第82回
6月15日、経産省から自動車産業の窮状と課題を詳細に分析した興味深い資料が公表された。作成に携わったメンバーは、業界の重鎮たち。建て前ではなく、本音がそこには書き記されている。自動車ピラミッドは崩れ、このままでは、日本車メーカーの国際的優位は風前の灯火だ。

第81回
「お団子と串」と言われたら何の話かと思われるだろうが、ここでいう串とは路面電車を核とする公共交通、団子とは各停留所からの徒歩圏内を意味する。地方再生のヒントに溢れた富山市のまちづくり戦略を紹介しよう。

第80回
愛知県豊田市で昨秋、個人向け立ち乗り型電動車等の実証実験が行われた。参加者の反応は興味深く、市中心部で走行可能になった場合、約25%が交通行動を変える可能性があると答えたという。トヨタのエコカー戦略と合わせて、都市内交通の行方を考察した。

第79回
いまから3~4年後、日本各地で奇妙な格好の乗り物が大量に走っているかもしれない。高齢者の足として、都会での移動手段として、あるいは宅急便で…。その乗り物の名は、超小型モビリティ。日本の製造業が世界に存在感を示す最後の砦となるかもしれない。

第78回
大震災後の復興に追われる日本の自動車産業界。次世代車の販売や開発は足踏み状態のままだ。こうしたなか、世界の電気自動車ビジネスのダークホースが快走を始めた。台湾である。

第77回
東日本大震災に伴う日系自動車部品産業の混乱が続いている。影響は、日本車メーカーだけでなく、世界のメーカーにも本格的に広がりはじめた。量と価格を重視する海外勢は、調達ルートの分散化を急ぐ。品質神話だけでは、日本勢はこの流れを食い止められそうにない。

第76回
東日本大震災は、世界のサプライチェーンにも混乱をもたらした。自動車産業はその最たる例だ。特に北米市場では、日系メーカーだけでなく、GMなど現地メーカーの生産にも影響が及んだ。部品の現地調達率が8割を超えているはずの北米で、いったい何が起きたのか?

第75回
リーマンショックを乗り越え、なんとか日本国内に踏みとどまった自動車製造。しかし今回の震災をきっかけに、海外流出がいよいよ急加速しそうだ。それが起きないと言い切れる材料は、残念ながら、見当たらない。
