山中俊之
個人の主体的意思が重視される欧米人から見ると、秋篠宮家の長女眞子さまが自分の意思を貫いたことに対して、共感する人も多いのではないか。本稿では日本の皇室をめぐる論点を「世界の視点」で取り上げたい。21世紀の今日、世界で「emperor」と言われるのは日本の「天皇」だけである。しかも、その皇室は、古代以来続いている。

タリバンによるカブール制圧とその後の混乱が世界を震撼させている。イスラム過激派によるテロの温床になる危険性に加え、女子教育の否定など女性の人権を蹂躙(じゅうりん)する懸念などが背景にあることは間違いない。しかし一方で、「イスラム教=男女差別的」と決めつけることも一面的である。タリバンの主張とイスラム教の教えは必ずしも合致しない。本稿では、タリバンの主張を出発点に、イスラム教とジェンダー平等について改めて考え、イスラム教を理解する一助にしたい。

数々の失態で、日本の五輪組織委員会は、世界から「差別主義者の巣窟」に見えてしまっているだろう。大坂なおみ選手の最終聖火ランナー登用くらいでは、日本の多様性に対する、世界の不信感は払拭できないのではないか。東京五輪の反省を踏まえて、いかに日本がダイバーシティーを進めていくかについて、三つの視点からアイデアを示したい。

6月24日、香港の「リンゴ日報」が中国共産党により廃刊に追い込まれた。メディアは、時に政治や経済を大きく動かす力がある。本稿では、メディアの歴史を振り返り、今後のメディアのあり方を考えてみたい。

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄両県)と「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に登録される見込みだ。世界遺産には、グローバルにビジネスを展開する際のヒント、とりわけ今注目されるSDGs経営のヒントが多数含まれている。

ポストコロナに向けて茶道の精神を改めて見直したい。「立場の違う他者への配慮」や「シンプルに本質を見抜く」こと、「自然との共生」など、多様的なイノベーティブな社会づくりに向けて、多くの示唆を与えてくれる。

「ロシアではリーダーシップは国のトップが発揮するものだ。他の立場の人がリーダーシップを発揮すると、トップから警戒される」――。プーチン大統領の動向をはじめ、今後のロシアの政治を見る上で重要な観点が、領主に農民が「保有」された「農奴制」です。そこには2つのポイントがあり、やさしく解説していきます。

「民族を英語で何と言うのですか?」と問われると、多くの人は「ethnic group」や「ethnicity」と答えるかもしれません。 しかし世界の人々には、日本語の「民族」と同じ意味としては通じないことが多く、実は、日本語の「民族」にぴったりな言葉は海外に存在しないのです。「ダイバーシティ」の重要性が叫ばれる中、「民族」という概念について十分に理解して、社会や組織のダイバーシティについてあらためて考えてみましょう。

「文楽」には現代の企業の特徴につながる点があります。本稿では文楽を切り口に、日本企業の「強み」や「弱み」について考察してみましょう。

ついに緊急事態宣言が再発令された。ビジネスエリートが激動の時代を生き抜くヒントを、世界情勢、宗教、哲学などに学ぶ月1回の特別講義シリーズの今回は、昨年末に生誕から250年がたったベートーヴェンの生涯から、コロナ禍に苦しむ現在の我々への3つの示唆を読み取る。

ビジネスエリートが激動の時代を生き抜くヒントを、世界情勢、宗教、哲学などに学ぶ月1回の特別講義シリーズ。第5回は、ハーバード大学をはじめ世界の大学で研究され、世界的文学作品として高く評価されている『源氏物語』から、女性の社会的地位向上への示唆を読み解く。

今年5月、黒人男性が白人警官に首を押さえつけられ死亡した事件をきっかけに米国では人種差別に抗議する運動(BLM)が広がっている。人種間の差別や偏見は今なお大きな社会問題だ。今回は、シェイクスピア作『オセロ』から多様な社会のあり方について考察する。

コロナ禍において、美術館の閉鎖や演劇の中止など、アートは窮地に立たされている。しかし、コロナ禍を経て、新しい社会を創出するためのヒントが日本のアートにあるのではないか。

世界5大宗教の一つ、「キリスト教」。英語のコミュニケーション能力を高めるためにはキリスト教文化への理解が必須である。なぜキリスト教文化を学ぶことが必要なのか、重要な単語や表現と合わせて解説する。

新型コロナウイルスの感染拡大により、国際社会の状況は大きく変わった。もし知の巨人たちが生きていたら、今の状況に何を思うのだろうか――。『戦争と平和』の著者として知られるレフ・トルストイの思想から、混乱の時代を生き抜くためのヒントを考察する。

コロナ禍で世界は「反グローバル」「排外主義」に動いていくという見方も強い。ポストコロナの世界はどう変わっていくのか。世界史に名を残した3つの帝国の繁栄からヒントを探る。

新型コロナウイルスの影響により、世界は大きく変わった。これから始まるポストコロナの時代には広く、深い「教養」がカギになる。元外交官で『ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』の著者である山中俊之氏が、ポストコロナ時代に求められる教養の重要性を解説する。

第15回
秀吉や家康が「キリスト教の布教」を認めていたら日本はどうなっていたのか?
アメリカ・ヨーロッパ・中東・インドなど世界で活躍するビジネスパーソンには、現地の人々と正しくコミュニケーションするための「宗教の知識」が必要だ。しかし、日本人ビジネスパーソンが十分な宗教の知識を持っているとは言えず、自分では知らないうちに失敗を重ねていることも多いという。また、教養を磨きたい人にとっても、「教養の土台」である宗教の知識は欠かせない。西欧の音楽、美術、文学の多くは、キリスト教を普及させ、いかに人々を啓蒙するか、キリスト教を社会にいかに受け入れさせるのかといった葛藤の歴史と深く結びついているからだ。本連載では、世界94ヵ国で学んだ元外交官・山中俊之氏による著書、『ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』(ダイヤモンド社)の内容から、ビジネスパーソンが世界で戦うために欠かせない宗教の知識をお伝えしていく。

コロナ危機の収束はまだ見えないが、危機が終わったポストコロナの世界は、これまでとは大きく違うものになるだろう。そこで、ポストコロナの時代に起きうる、国際関係、政治、経済、都市、志向の5つの分野における変化について述べたい。

第14回
歴史・美術・音楽・建築・文学…「教養」を「本物の教養」にするためには「宗教」の知識が欠かせない
アメリカ・ヨーロッパ・中東・インドなど世界で活躍するビジネスパーソンには、現地の人々と正しくコミュニケーションするための「宗教の知識」が必要だ。しかし、日本人ビジネスパーソンが十分な宗教の知識を持っているとは言えず、自分では知らないうちに失敗を重ねていることも多いという。また、教養を磨きたい人にとっても、「教養の土台」である宗教の知識は欠かせない。西欧の音楽、美術、文学の多くは、キリスト教を普及させ、いかに人々を啓蒙するか、キリスト教を社会にいかに受け入れさせるのかといった葛藤の歴史と深く結びついているからだ。本連載では、世界94カ国で学んだ元外交官・山中俊之氏による著書、『ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』(ダイヤモンド社)の内容から、ビジネスパーソンが世界で戦うために欠かせない宗教の知識をお伝えしていく。
