「ロシアと米国のリーダーシップの違いは?」 に対するロシア人専門家の返答は?
「ロシアと米国のリーダーシップの違いは?」 へのロシア人専門家の返答とは Photo:Anadolu Agency/ Gettyimages

現在のロシア政治の
一源流となった「農奴制」

「囚われの愛(love in chains)」という歴史ドラマをご存じだろうか?

 ウクライナで制作されて、ロシアや東欧で記録的な大ヒットとなったドラマで、「農奴」(後述)を主人公に、19世紀のロシア社会を描く秀作だ。

 舞台はクリミア戦争(1853~56年、ロシアと、トルコ・イギリス・フランス・サルデーニャ連合軍との間で起きた戦争)終結後の、ウクライナの農村地帯。主人公は、地主貴族の元で暮らす農奴のカトリーナで、圧倒的な身分格差に苦しめられるカトリーナの過酷な人生を描いたものだ。

 農奴はモノと同じに扱われ、立場が大変に過酷なものであったことが、ドラマを通じて、あらためてわかる。

 例えば、農奴がモノのように売買されるシーンが出てくる。当時の新聞広告でも「裁縫のできる農奴女性を○○○ルーブルで売ります」といった広告があった。また、農奴の品評会やセリのようなものすらあったのだ。

 同ドラマでは、地主貴族(や執事)が農奴を鞭(むち)打ちにするシーンが頻繁に描かれる。地主貴族は農奴を「保有」していたので、農奴の扱いは自由に決められる。何か気に入らないことがあるとすぐに鞭打ちにされるのだ。実際、当時は農奴に対する鞭打ちは多くあったようだ。

 このような農奴の置かれた境遇は、すでに農奴制を廃止した同時代の他国の農民よりも、悲惨な状況であることが多かったようだ(他国を含めた農奴の歴史については後述)。