猪熊建夫
第42回
茨城県南西部の田園地帯にある人口4万2000人の下妻市。下妻第一高校は、県内2番目にできた旧制中学を前身とする伝統校だ。22年春には付属中学が開校、6年制一貫教育校になった。知名度が高い2人の大物経営者が、この学校を巣立っている。

第41回
本州最北端にある青森県。県立青森高校は、八甲田連峰を背に陸奥湾に臨む青森市の東南に位置する。青森という独特の風土に育まれた、個性が際立った卒業生を多数、送り出している。

第40回
日本女子大学附属高校は、新宿から小田急線で30分という神奈川県川崎市多摩区にある。校舎もグラウンドも広い森に囲まれており、静かで落ち着いた環境だ。1901年以来、日本女子大の創立とともに歩んできた。6年制一貫教育の私立女子校だ。

第39回
生野高校は、かつては大阪市の一角・生野区にあったが、昭和時代に大阪府の中南部のベッドタウン・松原市に移った。比較的、裕福な家庭で育つ生徒が多く、文武で活躍する卒業生を多数輩出している府立高校だ。

第38回
東京学芸大学附属高校は、戦後に設立された国立高校だ。東京・世田谷区の住宅地にありながら、校地は広く緑豊かだ。「本物教育」を目指している。男女共学で、有数の進学校だ。とりわけ、女性の卒業生の活躍ぶりが光っている。

第37回
埼玉県南西部に位置する人口35万の川越市。江戸時代には、川越藩8万石が領する城下町だった。川越高校は、1899年に設立された県第三尋常中学を前身とする伝統校だ。男子のみを貫いている。

第36回
秋田高校は2023年に創立150周年を迎える全国屈指の県立伝統校だ。東北地方の雄であり、「自主自律」「文武両道」の校風を受け継いでいる。さまざまな分野で日本や秋田をけん引するリーダーを多数、輩出している。

第35回
徳川御三家の一つ、紀州藩55万5000石の城下町だった和歌山市。和歌山城の南にある桐蔭高校は、中学校を持つ6年制の県立中高一貫校であり、「文」と「武」がうまく融合している伝統校だ。「旧制一中伝統校」というのが、すべての都道府県にある。そこで最初に設立された旧制中学のことだ。東京都の場合は東京府立一中=現都立日比谷高校、大阪府は大阪府立一中=現府立北野高校だ。

第34回
兵庫県立第三神戸中学校として1920年に開校した。神戸市の長田区北方の高台にある。公立高校では兵庫県内屈指の進学校になっている。体育の授業が厳しいことで知られている。ダイエーを創業し「流通革命の旗手」といわれた中内功が、神戸三中・長田高校を代表する卒業生だろう。

第33回
江戸時代には堀田家佐倉藩11万石の城下町で、「南関東の学都」といわれた千葉県佐倉市。その藩校をルーツとして230年の伝統を誇るのが、千葉県立佐倉高校だ。「ミスタープロ野球」と呼ばれる長嶋茂雄は、昭和時代が生んだ国民的スーパースターだ。その長嶋が学んだのが佐倉高校だ。

第32回
明治時代はまるで田舎で、立川村という田園地帯にすぎなかった。東京府はその立川村に1901年、府立第二中学を開校させた。これが、立川高校の前身だ。2022年4月からは、都立高校では唯一の創造理数科がスタートした。

第31回
JR京都駅の南方約5キロの、京都市伏見区にある。京都府内で唯一の国立高校だ。「京都銘柄」と呼ばれる会社の経営者や、気鋭の学者を多数、輩出している。

第30回
日本で最古の学校といわれる足利学校が、国指定史跡として残る足利市。栃木県の南西部にあり、中心部を渡良瀬川が流れる。県立足利高校は男子校だったが、この4月に県立足利女子高校と統合、男女共学になり、新たなスタートをきる。

第29回
大阪府南部の堺市にある男女共学の府立高校だ。前身は高等女学校で、ルーツをさかのぼると校歴は150年近くになる。その伝統を引き継ぎ、文芸などで活躍した知名度の高い女性の卒業生が巣立っている。

第28回
通称は「緑高(りょっこう)」。横浜市の中心部・中区の南側の高台にある。2023年に創立100周年を迎える。港町の気風を映して校風は自由そのもので、多様な人材が巣立っている。

第27回
徳川家康が17年間を過ごし、天下統一の足がかりとした静岡県の浜松。現在では自動車や楽器など、日本有数の商工業都市になっている。そして、「ものづくりのまち」を象徴するような卒業生を多数、送り出している。

第26回
戦後の1951(昭和26)年設立の県立進学校だ。「舞鶴魂」という校是を持つ。「しまれ、がんばれ、ねばれ、おしきれ」だ。その独特な校是を背景に、高いレベルでの文武両道を実践している。今春には、野球部が甲子園に初出場する。

第25回
瀬戸内海に面し西日本最高峰の石鎚山(標高1982メートル)のふもとにある西条市。江戸時代には西条藩3万石が領していた。堀に囲まれた藩陣屋跡に愛媛県立西条高校がある。経済界や文化人あるいはスポーツで活躍した、多様な人物を輩出している。

第24回
「倭(やまと)は国のまほろば(素晴らしい場所)」と古事記、日本書紀にうたわれた。畝傍高校は、その奈良盆地の南東、橿原市にある。故地にあるということでは、日本指折りの由緒ある高校、と言える。今、注目されている卒業生は、自民党衆院議員で、党の政務調査会長を務めている高市早苗だ。

第23回
中京工業地帯の代表的な都市である四日市市。人口は30万人を超え、県庁がある津市を上回る。この地に設立された三重県第二中学を前身とするのが四日市高校だ。三重県でトップの進学校である。
