日本航空で初めての
パイロット出身トップ

 JR京都駅の南方約5キロの、京都市伏見区にある。京都府内で唯一の国立高校だ。「京都銘柄」と呼ばれる会社の経営者や、気鋭の学者を多数、輩出している。

日本航空会長の植木義晴氏日本航空会長の植木義晴氏 Photo:YOSHIKAZU TSUNO/gettyimages

 日本航空の前社長で現会長の植木義晴が、経済界のみならず一般市民の話題になっている。日航で初となる「パイロット出身」の社長・会長である上、昭和期の剣劇映画の大スターだった片岡千恵蔵の三男という出自によるためだ。

 義晴は知恵蔵が49歳の時に生まれた子で、5人きょうだいの4番目。幼少期、子役として映画出演をしたが、演技でうまく泣けなかったため、知恵蔵は「向いてない」と判断した。

 植木は京都教育大教育学部附属高校(略称・京附)から慶応大に進学したものの1年で中退し、航空大学校に入学、操縦士として日航に入社した。1994年にDC-10の機長となり、日航の執行役員になるまで機長を務めた。

 日航が経営破綻した後、再建を引き受けた会長・稲盛和夫(鹿児島市立鹿児島玉龍高校卒)に見込まれ、とんとん拍子に出世し、2012年に社長になった。部下から慕われる親分肌タイプであることが、稲盛に評価されたようだ。

 日航は13年、エアバスA350 XWBの導入を決めたが、元機長、社長の植木はその決定に主導的な役割を果たした。18年4月に会長に就任した。

 京都ならではの、ユニークな業容の企業を「京都銘柄」と呼んでいる。そうした企業で会長、社長、副社長になった卒業生は、大倉治彦(月桂冠)、大宮正(宝ホールディングス)、鈴木順也(NISSHA)、村田大介(村田機械、京都経済同友会代表幹事)と村田洋介(ムラテックCCS)、猪田浩史(イノダコーヒ)らだ。

 大企業経営者では現職も交じるが、山口俊比古(阪急阪神百貨店)、清水琢三(五洋建設)、鴻池一季(鴻池組)、増田寿幸(京都信用金庫)、内田隆(京都青果合同)、土井伸宏(京都銀行)、安田育生(リーマン・ブラザーズ日本)、桐谷重毅(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)らもOBだ。