農は「価値観を変える扉」

「農耕民族」の中でも日本は水田が発達してきました。
 水田とは灌漑施設のたまもの。
 上流から下流へ農業用水を通じてつながっています。

 ことわざで「我田引水」(自分の田んぼにだけ水を引き入れる意味から、他人のことを考えず、自分に都合がいいように言ったり行動したりすること。自分に好都合なように取りはからうこと)があるように、同調性を重んじられてきました。

 きっと、自然と同調圧力のようなものを肌で感じてきたのでしょう。
 それが仕事のやり方にもあらわれています。

 今、日本で宗教というと、普段は縁遠いものになっていて、オウム真理教事件以来、さらに宗教とは距離を置く風潮になりましたが、人間にとって本来は大切なものだと思います。

 日本人のDNAには、土に触れることで自然への感謝と畏怖を思い出すことができるセンサーが入っている気がします。

 わが「風来」では、草むしりイベントもときどきやっていますが、土におもいっきり触ることが少ない社会で、「土に触ること自体、気持ちいい」と人気のイベントになっています。

 農を、「価値観を変える扉」とらえると、いろいろな可能性が見えてくるのです。