「針箱をさがすと女房とんで出る」とは江戸時代の川柳。針箱の中にへそくりが隠されている…というワケらしい。女性の方がしっかりとへそくるのは現代も同じ。「共働き家庭のへそくりは女性の方が高額」というアンケート結果をクロス・マーケティング(東京都中央区)が発表した。アンケート対象は全国の共働きの男女(20~69歳)、1000人。
女性に多い!?
配偶者に給料額を「正しく申告していない」人
まず驚くのが、配偶者の給料額の把握状況。「正しく把握している」割合は女性が59.1%だったのに対し、男性は31.5%。「把握していない」人の割合も、男性は27.8%と女性の2倍以上だった。さらに、配偶者への自身の給料額の申告状況でも、「正しく申告している」男性が67.8%なのに対し、女性は46.4%。「申告していない」人や「低めに申告している」人の割合は、いずれも男性より女性の方が多かった。
結婚したい相手の条件について昔は「3高」などという言葉もあったが、一般的に考えて、男性よりも女性の方が結婚相手の収入を気にするもの。共働き夫婦であっても、また不況のご時世であっても、「相手の収入をそれほど気にしない」男性は女性に比べて多いようだ(「収入を教えたがらないのは男性よりも女性」とも言える)。
へそくりは「離婚に備えて」の女性も…
さて問題は、そのへそくりの額。「へそくりがある」と答えたのは男性が34.0%、女性が47.1%で女性の方が多く、その額も、「50万円以上」が男性は36.9%、女性は52.1%。
今一度、確認すると「へそくり」は「貯金」とは異なり、周囲に内緒で貯めた金のこと。夫婦で共同に行っている貯金とは別の、個人的な貯金が多いのは女性の方なのだ。そこで気になるのがその使い道だが、ここでも男女の回答に差が出た。
最も多かったのは男女とも「自分のために使うため」だったが、男性が67%だったのに対し、女性は41.6%。その分、女性は「子どものために使うため」と答えた人が多かった。また、「病気に備えての貯蓄」「老後に備えての貯蓄」と答えた男性は3.4%、12.3%だったのに対し、女性は16.8%、35.8%と大きく差がついた。さらに、「離婚に備えての貯蓄」は男性が1.5%、女性は5.8%だった。
男性は貯金の範囲内でカバーしているつもりの「将来に備えての貯蓄」だが、女性はさらになる緊急時に備えて、へそくりをするのかもしれない。これは個人的な意見だが、映画やドラマで「これはいざというときのために母さんが貯めていたお金なんだけどね…」と母がへそくりを出すシーンは感動的。案外、一家にとって女性のへそくりは「してくれていたらうれしいもの」、女性側にも「へそくりするのが内助の功」という意識があるような気もする。
…とはいえ、先述したように、使い道の1位は男女ともに「自分のため」。その内訳は、男性が「宝くじ」、女性は「洋服」が1位だった。配偶者の「へそくり」、あなたはどう思いますか?
(プレスラボ 小川たまか)