原油など資源・エネルギー価格の高騰が、米国の企業業績に大きな影響を与え始めた。米メディアによると、「ボーイング、エアバスの新型機受注の最大3分の1がキャンセル、納入延期の恐れ」と報道されている。燃料高と航空運賃の値下げ競争で、航空各社が疲弊したためである。BRICsの中央銀行が連続的な金融引き締め策に踏み切ったことも、需要鈍化リスクとして意識され始めているのかもしれない。ボーイングの新型機は、日本企業との共同生産の色彩が濃く、関連する企業の裾野は広い。「海の向こう」のこととは看過できない。
資源メジャーのリオ・ティントは、中国の宝鋼集団と、鉄鉱石価格を79.88~96.50%の値上げで妥結したと公表した。日本でも、新日本製鐵がリオ・ティントの価格を受諾する方向と報道されている。ブラジルの大手ヴァーレとは、先に65%値上げで妥結していたが、それを大幅に上回る値上げである。「鉄鉱石価格の値上げ→鋼板値上げ」となって、日本の自動車メーカー、造船、電機といったユーザーへの影響は必至の情勢である。