『風の谷のナウシカ』の中で、「腐海」というのが出てきます。
腐海では、人が吸い込めば肺が腐って死に至る瘴気(しょうき)を吐き出す巨大な菌類(腐海植物)や、昆虫に似た巨大な生物(蟲<むし>)が棲む、従来とはまったく異なる生態系を有する森です。
そんな人も寄せつけないところで人々は忌み嫌うのですが、一度腐海になった後、自然が戻ってきているというもの。つまり、腐海が荒れ果てた大地を浄化しているのでした。
それと同じ働きが、農家にとって大の嫌われものの雑草にあるのではないか、と思えるようになりました。
今、風来は、一面の雑草に覆われています(多すぎて困るくらいですが)。
起農3年目に
本当にうれしかったこと
起農3年目に、畑にミミズがたくさんいるようになったときは、本当にうれしかったです。
ミミズを見て涙が出そうになるとは、農家になる前には思いもしませんでした。
最初から肥えた土を客土するのが一番手っ取り早かったのかもしれませんが、砂が土に変化していく過程が感じられて、今ではあれでよかったと思っています。
基本的には、野菜は中性の土でよく育ちます。
日本の土は、もともと酸性土壌になりがちですが、化学肥料や農薬を使うと、より酸性になっていきます。
この悪循環が各地で行われています。
強酸性の土では野菜が育たないため、強アルカリ性の石灰をまいて中和するのが当たり前になっていますが、石灰はセメントと同じ成分、つまりまけばまくほど土を硬くしてしまいます。