餓死者をひとりも出さなかったキューバの秘密
超大国のアメリカからそのようにされたら、国が崩壊してしまうのが普通です。
しかし、キューバはこのような状況にあっても、餓死者をひとりも出しませんでした。
その核となったのが農業の再構築。
もともとカロリーベースで57%を輸入作物に頼っていたうえ、石油に頼るトラクター、コンバイン、潅水ポンプは、ソ連崩壊後1年で半分しか動かなくなり、1994年には1990年の55%まで落ち込みました。
そんな中、選択されたのが「都市を耕す」ということです。
キューバは人口の80%が都市に集中しています。
裏を返すと、都市には労働力があるということです。
コンクリートの上にベニアやブロックなどで囲いをつくり、その中に土や堆肥を入れる「オルガニポノオコ」という手法がとられました。
こういったことができたのは、冷戦時代も地道に有機農業を研究してきた研究者がいたからこそ。
都市農業において、土づくりは重要な課題でした。
そこで活躍したのがミミズ。
ミミズは生ゴミを分解し、ミミズの糞が堆肥になります。
においもせず土壌改良にはもってこい。
そこで、ミミズを自宅で飼うのを政府が奨励することになりました。
また、種も昔の在来品種が復活しました。
在来品種は、その土地で育ってきたので、病害虫に強いという特徴があります。
トラクターなどの機械も、燃料であるガソリンがなければ、ただの鉄くず。
そこで、農耕馬、農耕牛が復活。また、ハーブなどを使った自然農薬も復活しました。