柳田法相失言問題への処理遅れが
政権への不信感をより強めた
柳田稔法務大臣が辞任した。なぜもっと早く辞任できなかったのか。
私は失言の第一報を聞いたとき、これは直ちに辞任か、それとも罷免をしなければいけない、このまま続投する可能性は全くないと思った。
もし、直ちに菅直人首相が罷免したら、内閣支持率の低下に歯止めがかかるほどでなくても、菅政権を見直す人も多かっただろう。
報道によると、処理が遅れたのは、補正予算成立の見通しや、仙谷由人官房長官ら“群発失言”に対する野党側の対応を見定めていたかららしい。
そんな政局本位の判断が優先されることが結局のところ政権に対する不信感を強めていることに気がついていない。
菅首相はこの頃、「なぜ支持率が落ちるのかわからない」と言っているという。それではとても反転攻勢はできないだろう。
また首相は、ベテラン議員から「内閣支持率が1%になっても首相を辞める必要はない」と言われ、力を込めて「当然です」と答えたという(11月19日朝日新聞より)
一体、支持率1%の首相が他国の首脳と会談してまともに相手にされるのか。首相個人が笑いものにされるならまだしも、国や国民まで笑いものにされることを考えていないのか。APECの首脳会談で、各国首脳が首相を見る目はもうその域に達していることが証明されてしまった。支持率の低い首相は、それだけで国民に大きな損失をもたらすのだ。