骨ストレッチ・ランニングで
走ることが心地よくなる
ランニングの場合も、両手で足の中指を押してから、ゆっくりと走ってみてください。体が自然と前に出ていくのが感じられませんか?
前傾姿勢をより実感するには、胸が糸で引っ張られている状態をイメージするのもいいでしょう。見えない糸に引っ張られるようにして走り出すと、体幹主導で前に進んでいくことができます。
体幹主導ということは、脚よりも先に体幹が前に出るということです。
前傾姿勢になるため、そのまま放っておけば体が倒れてしまいますから、片方の脚が本能的に前に出て体を支えることになり、その結果、前に進んでいく。それでまた、前傾姿勢で倒れそうになったところでもう片方の脚が前に出て、体を支える。その結果、また前に進んでいく……この繰り返しです。
実際に試してみると、このほうがずっとラクに走れます。
短距離でも長距離でも、基本は変わりません。踏ん張ることをやめ、体の重さを利用したほうが、速く、心地よく走れるのです。
頑張ることをやめたほうが心地よく動け、いい結果があとからついてくるとイメージしてもいいでしょう。
ウェイト・トレーニングをすれば大胸筋もパンプアップされ、胸板が厚い、見るからにたくましい体に変化し、確かにパワーアップは図れます。しかし、腕や脚を懸命に動かし、体幹を運ぼうとする走り方をしている限り、パンプアップした肉体はただの「重い荷物」にしかならないはずです。それでは効率のよい走り(動き)など、とてもできないことをまずは知るべきでしょう。
骨ストレッチの講座では、こうした走りに特化したカリキュラム(骨ストレッチ・ランニング教室)も組んでいますが、走るのが苦手な人でも短時間で基本がマスターでき、体が勝手に前に動き出すようになります。
走るほどに心地よくなるため、会場のあちこちで歓声が上がります。参加者の中には、走ることの楽しさに目覚め、コツコツ距離を伸ばすことで、フルマラソンを完走するようになった人もいるほどです。
最初のうちは、ものの10分走っただけで息が切れ、足が痛くなっていたのが、痛みや筋肉痛に悩まされることが減り、楽しみながら走れるようになっていきます。そうなれば、ランニングが生活の一部になるでしょう。
「走ることは体にいいか」ということが議論されることもありますが、問わなければならないのは「心地よく走れているかどうか」です。