なかなか相談しづらい「尿もれ」。実は40代でも2割の男性が体験しているようです

 誰しもが決して避けて通れない問題のひとつに「尿意のがまん」がある。商談や会議、映画やコンサートの最中の尿意も困ったものだが、最悪の事態を迎えるより前に中座を選ぶことができる。しかし通勤途中の乗り物の中での尿意などは、急いでいるため「次の駅で降りて」は考えにくい。自家用車の場合、非常用のグッズを用意している人もいるだろうが。

 さらに考えたくないケースとしては、事故などで駅間で止まってしまった電車、急停止したエレベーターなどもある。これらの事故は年に何度も起きているから、箱の中で苦しんでいた人々も相当数いたはずだ。おそらくはこらえ切れなかった人々も。非常時ではなく通常の電車運行のなかでも、先日JR東日本の運転士が車内から線路に放尿し「問題」となっていたほどだ。

30、40代の2割が「尿もれ」経験
男女問わない尿問題

 尿のがまんは全人類の問題のはずだが、一般的には女性の問題として考えられることが多い。しかしことを「尿もれ」まで広げて考えれば、50代から70代の男性のうち約30%、つまり900万人もの人々が尿もれの症状をかかえているという花王の調査結果もある。この調査によると実は30代から40代までの男性も、20%程度が症状を自覚している。尿もれの傾向がある人が、尿を長時間がまんできるはずもなく、やはり男女問わず現代人共通の問題であろう。

 尿を出す、止める仕組みについて確認しておきたい。尿がつくられるのは腎臓で、それが膀胱にたまり、最後は排尿というかたちで身体の外に出る。もう少し詳しく説明すると、腎臓は血液から、水分やさまざまな栄養分、老廃物をこしとる。最終的に残った余分な水分や老廃物などが尿になるのだ。大人の場合、尿は1日で約1.5リットルほどつくられるという。

 腎臓でつくられた尿は、尿管を通って膀胱に運ばれる。膀胱は伸縮性のある筋肉でできており、尿がからっぽのときはしぼんだ袋状で、いっぱいになると丸く脹らむ。個人差はあるが、最大で尿を0.6リットルほどためることができるという。つまり尿をめいっぱいがまんしているとき、私たちの膀胱には中型のペットボトル1本強の水分がたまっているというわけだ。