不動産を売りたい人の願望を読んで
コピーを書くべし

 もっと言えば、某社が想定しているこのマンションを購入しそうなターゲットの琴線に触れるようなコピーにすれば、さらにコンバージョン率は上昇する。

 たとえば、「天神まで◯◯分でふたりとも安心。」にすれば、共働き夫婦にとっては、このマンションへの心理的距離感がぐっと縮まる

見晴らしがほしい働き盛りの方へ」とすれば、今の住まいの見晴らしに不満を持っている人たちの心をわしづかみすることが可能になる。

 そして、住宅ローンを組むことができるサラリーマン世代に「自分ごと化」させることもできる。

 某社は売ろうとしているマンションに愛着がありすぎて、たくさん言いたいことはあるのはわかる。
 しかし、ターゲットに刺さる長所をとにかく前に押し出していくのがダイレクトマーケティングの鉄板。
 いろいろ考えすぎて、アレもこれも加えてしまい、ぼんやりとしたコピーにしたところで、最大公約数の人が資料請求をするということは絶対ありえない。
 あるのは資料請求数のロスである。
 最初は恥ずかしいかもしれないが、実利を売りにしたコピーでターゲットを囲い込むことを今すぐやるべきだ。
 さらにさらに!
 肝心の資料請求ページもこれがまた丁寧とはいえない。

HPを知った理由は、アクセスツールで見ればよいと思うのだが ……

正気の沙汰とは思えない
21個の必須入力

 家を買うのだから資産状況や希望の広さなどをたくさん聞いておいたほうがいいと思っていろいろ項目を加えていった結果、21個とかなり多い入力数のフォームになってしまったのだろう。

 これだけ入力数が多いフォームであれば、入力後はすぐに確認画面へ飛ばすようにしたほうがいいのに、さらに延々とアンケートが続いていく。

 このアンケートは入力確認画面に入れたほうが絶対にいい。
 メルマガ会員の募集も、チェックボックスを入れておけばすむはずなのだが……。

 どうしてここまで馬鹿丁寧に一度に情報を取ろうとしているのだろう。
 しかも、これはマンション購入ではなく資料請求という最初のステップ。
 これでは、多くの顧客は離れていってしまう。
 しかも、こうまでして情報を集めているのに、実際にモデルルームに足を運んだ際にほとんど同じ話をまたアンケートで書かされる。
 なぜそんな二度手間をさせるのだろう。
 だいたい、この赤坂のタワーマンションを買おうと思っているセレブ(笑)が、これだけのフォームをこまめに記入するとは私には考えられない。
 セレブはそんなに暇じゃないぞ(笑)。
 すぐに資料だけ送ってもらえれば、そこで買うか買わないかは判断する。
 余計な情報入力は、資料請求のモチベーションを低下させることは間違いない。
 普通、これだけの項目があれば、他の通販であれば商品購入までできるのであるが、そうは行かないのが不動産。
 最初は必要最小限の情報入力ですむような形に直していかないと、いつまでたっても見込顧客の劇的な増加は、媒体への積極出稿以外に方法はない。

 資料請求やモデルルーム訪問をしたことがある人には、「不動産あるある」でよくあるが、不動産会社から猛烈な電話でのアプローチが続く。
 そういう過去の不動産業界の悪癖がいろいろな口コミとして多くの人の耳に入ってくるため、事実、私の部下も資料請求に躊躇している人がいる。
 理由はどうやら「怖い」らしい(笑)。

ランディングページ(LP)やフォームだけではなく、メールも変えれば格段にレスポンスは変わるはず
 資料請求をした人へのアウトバウンド(次のステップ<モデルルーム訪問>への行動を勧める行動)が必要であれば、それはメールで行うようにしたほうがいい。

 メールに切り替えることで、資料請求をした人についてはモデルルーム訪問予定日時のリマインドメールを送ったり、資料請求をしたタイミングに合わせてメールを出し分けるなど、購入への階段を一歩ずつ登らせるような施策をすべきだ。