2025年には「583万人の人手不足」が起きる!?
この人手不足は今後も変わらないどころか、むしろ、より深刻になっていくと予想されています。それは、少子高齢化が加速度的に進んでいるからです。出生率が劇的に回復する見込みのない現状では、海外からの労働力を受け入れたり、女性やシニアを活用したりしない限り、日本の労働力人口(15歳以上の働く意思と能力を持つ人の数)がこの先も減り続けることはほぼ確実な未来です。
パーソル総合研究所が出している2025年の未来推計(上図)によると、現在の248万人の倍以上、なんと約583万人の働き手が不足することになります。なかでも、情報通信・サービス業は約482万人、卸売・小売業は約188万人と、業種によってはとんでもない数字が出ています。
「1人の店長としてできること」を考える
これ以外にもさまざまな推計データがありますが、今後もアルバイトが足りない状況が続くことは、ほぼ否定しようがないと言っていいでしょう。国の政策レベルでも「女性・シニア・外国人の活用」を打ち出し、これに対処しようという動きが加速しています。
また、たとえばIT化や人口知能(AI)などの技術革新が進んで、効率性・生産性が上昇すれば、現在ほど人手が要らなくなる分野も出てくることでしょう。会社によっては、「店舗の無人化」「サービスの機械化」を戦略的に推し進めるところも出てくると思います。
この大きなトレンドに対して、店長としてできることは決して多くありません。人口の問題や、それに伴う産業構造の変化などは、1人の店長の思考と行動を超えるものだからです。
しかし、ここで悲観していても仕方ありません。地に足をつけて、目の前の職場をいかに回すかを考えていく必要があります。そこでまず大切なのは次の2つです。
(1)いま起こっているあなたの職場の人手不足が、日本のアルバイト人材マーケットの構造のなかで「起こるべくして起こっている事態」だと認識する
(2)この人手不足が決して一過性の現象などではなく、今後ますます激化していくという現実を引き受ける
これらを踏まえたうえで、いまこそ店長にはその場しのぎの対応策ではなく、根本的な発想の転換が求められています。その核心は何なのか?それを次のトピックで一緒に考えていきたいと思います。
□この人手不足は今後ますます深刻になる可能性が高い
□とくにアルバイトの分野では、さらに人が足りなくなると予想される
□悲観するのでなく「店長として何ができるか?」の発想が必要である