このように、新築マンションは売れ行きに合わせて供給戸数をコントロールすることができ、市場が悪くてもすぐには価格を引き下げなくても済む。2016年に入ると、前年比で20%以上供給戸数が減っているので、売れ行きは確かに悪いが、供給戸数を減らした分だけ価格の安定化が図られているのが現状である。

 いつの時代でも供給戸数と物件価格は反比例する関係にある。すなわち、供給が増えれば、価格は下がる。供給が減れば、価格は下げ局面でも下がりにくくなる。それを以下の「供給戸数と分譲価格の反比例グラフ」で表わした。

「供給戸数×物件価格=市場規模」の数式はいつでも一定である。つまり、5000万円×5万戸=2.5兆円という市場規模としよう。もし物件価格が6000万円になれば、供給戸数は2.5兆円÷6000万円=4.2万戸に減ってしまうのである。まず私たちがすべきことは、正確に事実を把握することであり、そこから戦略を立てればいい。

◆図1:供給戸数と分譲価格の反比例グラフ

(注)右側の軸が逆なので逆相関です。
(出典)不動産経済研究所からスタイルアクト作成 拡大画像表示

自民党総裁任期が9年に延長されると
不動産価格は高止まりか?

 最近、不動産価格に大きく影響を与える出来事が報道された。その報道の内容が実現すれば、マンション価格は暴落どころか、東京オリンピック以降も高止まりする可能性があるので、詳しく説明しておこう。

連載第23回『バブル気味の不動産価格がなぜか弾けない「5つの理由」』では、不動産価格がまだ上がる要因として5つのポイントを挙げた。それが以下だった。

・民泊で賃料が上がる……世界的なシェアリングエコノミーの流れ
・金融緩和はまだ続く……金融政策
・局所的に人口は増える……人口動態(たとえば東京都区部)
・世界的に見れば東京はまだ安い……グローバルな投資マネー(円安になると加速する)
・資産は高齢者が持っている……節税市場の台頭(たとえば相続税の問題)

 この中の金融緩和はアベノミクスの3本の矢の1つであり、不動産価格が金融緩和で上昇することは以下のグラフで何度も説明してきた。

◆図2:マンション価格と金融緩和の関係

(出典)日本不動産研究所、日本銀行からスタイルアクト作成 拡大画像表示