「いい夫婦の日(11月22日)」を前に、あえて知っておきたい離婚の話。一口に離婚と言っても、その中身は千差万別。すんなり成立する夫婦もあれば、もめにもめるケースも少なくない。こじれれば、調停・裁判と何年もの時間がかかることも。(週刊ダイヤモンド2013年9月28日号特集「離婚・再婚の損得」より)
「離婚したいが、妻が応じてくれない。裁判に持ち込めば離婚できるか教えてほしい」──。
都内に住む会社員の渡部孝之さん(仮名・32歳)は昨年、ある弁護士事務所の門をたたいた。
理由は妻との「性格の不一致」。だが、弁護士の答えは期待したものではなかった。
「別居しているわけでもなく、単に性格が合わないというだけでは、奥さんが離婚を拒み続ける限り、別れるのは難しい」
何故なのか? まずは右表の上を見てほしい。日本では、結婚生活を破綻させる原因となった、これらの裏切り行為や責任の放棄などがあった場合に限り、裁判で離婚を認めるという「有責主義」が取られている。
逆に言えば、この5項目に該当しなければ、夫婦の合意なしに離婚は原則的に認められないのだ。また、有責配偶者(例えば、浮気をした側)からの離婚の申し立ても認めていない(ただし近年は、長期に及ぶ別居など状況次第で認められるケースもある)。
渡部さんの場合、DV(家庭内暴力)などと同じく「その他、婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまるかが裁判では問われる。つまり、渡部さんと妻の「性格の不一致」が、婚姻生活を破綻させ、修復も困難と客観的に判断されなければ、離婚が認められる可能性は低いというわけだ。