中学受験は塾通いが大前提となる。一般的に高校受験では中学校の先生と学習塾(以下、塾)の講師といった立場の異なる2人のエキスパートから、話を聞いたりアドバイスを受けたりすることができるが、中学受験の場合は公立小学校の先生は頼りにならず塾頼みにならざるを得ないからだ。それだけ塾選びが大切なのだ。ではどう塾を選んでいけばいいのだろうか。

 塾には大きく分けて三つのタイプがある。生徒が多い大手塾、個人で地元を中心に経営している個人塾、マンツーマンで教える個別指導塾の三つだ。その特性を踏まえて選んでいくといい。

情報豊富で合格ノウハウもある大手
子どもが競争や講師になじめるかがカギ

 大手塾の最大の特徴は、多くの学校の情報を持っていることだ。親の希望に合う学校を教えてくれるし、合格のノウハウもある。難関校に多数の合格者を送り出しているのも魅力だ。

 学習面では小学校の全課程を5年生の3学期か、遅くても6年生の1学期までに終え、あとの1年間は志望校の受験対策に専念する先取り学習を行っている。また、塾によっては塾内テストなどの度に、成績順にクラス替えを行う塾もある。トップの教室に入れなかったり、現在いるクラスから落ちたりすることもある。そんな時に、気持ちを切り替えて頑張れるかどうかが向き不向きを決める。

 塾選びでは、子どもが講師になじめるかどうかも重要である。若い講師は子どもと年齢が近いだけに親近感を抱きやすいが経験がない分、データに基づいたマニュアル通りの教え方になることもある。大手になるほど幅広いタイプの講師が揃っているが、違う教室に異動になることがある。もう1点、大手塾で問題になりやすいのが子どもの送迎だ。自宅から遠い場合は親の負担が大きくなるので覚悟しておいた方がいいだろう。