(1)プロのライターが編集者と相談しながら書きたいテーマを発見し、取材し、記事を書く。

 (2)運営会社はライターに原稿料を支払った上でメディアに掲載する。

 (3)掲載した記事が読者の興味をひいた場合、PV(ページビュー/閲覧数)がたくさん集まる。

 (4)メディアは多くの読者に支持されることによってブランド価値を高め、スポンサーの広告料収入で運営費や利益を賄う。

キュレーションメディアを
勢いづかせた「記事量産」の大発明

 これが牧歌的な時代のメディアとライターによるビジネスモデルだった。そこにこのビジネスモデルを壊す大発明が登場する。それがキュレーションメディアだ。

 彼らが発見したビジネスモデルは、既存のメディアとこう違う。

 (1)運営会社がお金になるテーマやワードを選定し、それぞれについてインターネット上の情報をまとめ、記事の構成をつくる。プロのライターの20分の1のコストでそれをきちんとした記事に仕上げてくれる一般ライターを、クラウドで募集する。

 (2)ライターは与えられたまとめ記事をリライトし、独自の体裁の記事にして納品し、メディアがそれを掲載する。

 (3)もともとお金になるテーマやワードを基にした記事に、SEO技術を駆使してさらにアクセスを集めることで、検索結果の上位にランクさせる。

 (4)注目ワードを使った記事が検索上位にランクされ、多大なアクセスが集まることを背景に、スポンサーから多大な広告料収入を得て、運営費と莫大な利益を賄う。

 ちょっとわかりにくいかもしれないので具体例を出すと、閉鎖される前のDeNAのWELQの場合、「ヘルニア」というワードでグーグル検索をすると、2つの記事が他のメディアや医療サイトを押しのけて上位に登場していた。「ヘルニアの症状とはこうだ」という記事と「ヘルニアがストレッチで改善する」という記事だ(注:筆者が「ヘルニアはストレッチで改善する」と言っているわけではない。念のため)。

 ここでメディアにとってお金になるのは、「ヘルニア」というキーワードだ。グーグルで「ヘルニア」を検索するのはヘルニアで困っている人が大半であり、しかもその人数は多い。そして、ヘルニア患者を相手に商売をしようという人たちも多く、ヘルニアのキーワード検索で記事が上位にくるメディアに高い広告費を支払ってでも広告を掲載したいと思う。