感情を意図的に
「いい気分」に近づける方法
ひどい気分になる出来事があったとしましょう。
何を聞いても、何をしても気分が悪く、息が詰まりそうで、そのことを考えるたびにつらくなります。停滞したその感情を言葉にするとしたら「22 うつ状態」でしょう。
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何かに専念できれば、気分は改善するかもしれません。悩ましい問題を頭の外に追い出して仕事に集中できれば、気分は晴れるかもしれません。
うつ状態から解放してくれる思考はたくさんあります。しかし、あまりにも現在の感情とかけ離れた感情には、今すぐ至ることはできません。ですが、その思考がどう感じるかに意識的に気づくことができれば、今すぐ少しでも気分のいい思考を目指して“感情のスケール”を上り始めることができます。
前より少しでも解放感を高めることを目指して、現在の感情を「考えて、感じる」という手順を繰り返してください。
ここで、誰かに腹立たしいことを言われた、もしくは約束を守ってもらえなかったとしましょう。
この腹の立つ話題に関心を向けると、「22 うつ状態」からいくらか気分が楽になるはずです。この話題について考えている最中は息苦しさが消えます。
ここで重要なことがあります。
立ち止まって、あなたが選んだ「17 怒り」の思考は、その前に味わっていた息苦しい「22 うつ状態」よりは気分が楽だということを受け入れるのです。感情が改善したことを認めると、「22 無力感」もやわらぐはずです。あなたは“感情のスケール”を上っているのです。
「22 うつ状態、恐れ」といった状態から、苦痛がやわらぐ「17 怒り」の思考を、本能的に、あるいは無意識に見つけられたとします。
ところが、「怒るのはよくない」と言い聞かせようとする人が大勢いて、怒りを抑えるように何度も忠告してきます(もちろん、彼らはあなたではないので、怒りがもたらす気分の改善が感じられないのです)。
すると、あなたは元の「22 うつ状態」に戻るしかありません。
ですが、「17 怒り」を選んで気分が楽になると少しでも気づいたなら、「17 怒り」からより抵抗の小さい「10 不満」などの感情にも移行できるとわかるはずです。その後さらに“感情のスケール”を上っていき、気分のいい状態に戻れます。
一見、人生が思い通りにならないように見えるのは、たいていの場合、自分がどこに向かっているかがわからないからです。
感情には2種類しかありません。「気分のいい」感情と「気分の悪い」感情です。
意識して気分を少しでも改善できれば、そこには価値があります。少しでも気分がよくなれば、あなたはコントロールの手段を取り戻したのかもしれません。
コントロールが足りずに、あなたが完全に気分のいい状態を取り戻せていないとしても、自分が無力だと感じることは二度とないでしょう。ですから、感情のスケールを上っていくことは比較的簡単なのです。