佐藤 書くより、ほかの人に宣言しますね。そうすることによって自分にプレッシャーを与えられるし、そこに向かって現実の自分とのギャップを埋めていくよう努力するので。
山口 それはいいですね。私は恥ずかしくてなかなか人に言えないほうなので。小さい頃、官僚になるのが夢だったんですが、小学校のとき、テレビで「1年間に財務省に入れる人の数が21人」って紹介されていたのを見て、「21」って紙に書いて机に貼っていたことがあります。目標を作って書くのも効果があるのかな、と思いますね。
佐藤 目標が大きければ大きいほど、すごい力を発揮しますよね。
山口 逆立ちしてもかなわない天才なんて実際にはほとんどいないので、人の能力って、本当はさほど変わらないと私は思っているんです。ポテンシャルってみんな相当もっている、でもそれをどれだけ引き出せるかが一生の勝負。引き出すのは「執着心」だと思うんですよ。
佐藤 なるほど。
山口 私の場合も、東大でどうしても首席になりたかったんですよね。私より頭のいい人は何人もいたけれど、私はその執着心がほかの人より強かったのかな、と思っています。
佐藤 私も司法試験のとき、合格者のなかでビリでもいいから合格しなくてはと思って勉強していました。やっぱり、執着心、欲をもっていたから勝ち上がれたんでしょうね。
山口 欲って大事ですよね。サラッとしていたら勝てないですから。
佐藤 山口先生にも言われたように、私はよく野心家だと言われるんです(笑)。でも、そうじゃないと成長できないと思うんですよ。「まぁこれでいいか」っていう気持ちが成長を止めてしまう。
山口 頑張ったねって自分を認めたうえで、でもココとココができてなかったと、ちゃんと把握する。満足しないことが大事ですね。
成長のコツは
やめないこと!
佐藤 正しい勉強法はわかっているのに、努力できないと感じている人も多いと思うのですが、山口先生は著作で「努力には方法がある」とおっしゃっていますね。