国民年金を滞納しそうなら
窓口で相談して免除申請を!

内野三菜子(うちの みなこ)
東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医

 障害年金をもらえれば、家計はかなり楽になると予想されます。ただし、受給するためには、国民年金の滞納がないことが条件です。年金保険料を滞納すると、老後の年金だけではなく、障害年金や遺族年金を受け取る権利もみすみす逃すことになってしまいます。

 支払いが厳しいときは、免除申請をしておけば、保険料を納められなくても加入期間にカウントされ、障害年金や遺族年金をもらう権利は確保できます。経済的に苦しくて保険料を納められないときは、自己判断で滞納するのではなく、自治体の国民年金課に相談して必ず免除申請をしておきましょう。

障害年金よりもハードルが低い!
「身体障害者手帳」

 ちなみに、障害年金とよく間違えられるものに、「身体障害者手帳」があります。

 この手帳があると、公共交通機関の運賃の割引、医療費の助成、税金の優遇など、さまざまな福祉サービスや助成が受けられ、がんの患者さんも一定要件を満たせば身体障害者手帳を申請できます。身体障害者手帳をもらえるかどうかは、障害年金とは別基準になっています。障害年金をもらえなくても、身体障害者手帳は利用できることもあるので、住所地の市区町村の福祉課に問い合わせてみましょう

 がんになって障害が残ると障害年金がもらえる。ハードルは高いが、専門家に相談し、申請してみよう。