まず、選択できる商品の範囲は広いけれども、期間中に売却すると節税枠が売却分だけ縮小してしまい復活しないNISAの中に、手数料のメリットが大きくて、長期的に保有したい、TOPIX型のETFを入れるといい場合が多いので、ここが決まる。

 次に、確定拠出年金は、NISAでTOPIX連動ETFを持つこととのバランス上も、またリテールで売られている運用商品の手数料との比較の観点からも外国株式のインデックスファンドが最適な商品である場合が多く、ここが決まる。

 すると、自分の運用全体としては、外国株式を300万円、国内株式を200万円持ちたいのだから、課税される証券口座で、それぞれの合計額になるように、外国株式のインデックスファンドを100万円、TOPIX連動のETFを80万円買うとリスク資産の運用部分が完成する。

 残る無リスク資産の500万円は、当面使わないお金は、個人向け国債「変動10」として、残りを普通預金に置くといい。この場合、400万円と100万円に分けたとすると、先の図2のようになる。

 メモ用紙に格子状の線を引いて、お金の置き場所ごとに運用商品を当てはめながら、「合計」が自分の運用計画に一致するように全体を決定するといい。

 運用を完成するのに必要な手続きは、これだけだ。

お金よりも大事な
「人生の問題」に集中しよう

 確定拠出年金の積み立てや、毎月の貯蓄などの影響によって、運用資産の状況は変化していくだろうが、おおよそ、ここで示したようなやり方で運用ができていればいい。

「6:4」といった比率は大まかでいいし、株価が上がるか、下がるか、といった判断は難しいし、市場参加者の判断は既に相当程度現在の株価に反映していると考えられるので、「相場観」による調整はほとんど必要ない。強気でも弱気でも、標準的なリスク資産投資額(先ほどの例では500万円)の上下、せいぜい1、2割位までの調整にとどめておくのがいいだろう。

 今回ご紹介した方法は、大変シンプルだが、特に、個人向け国債「変動10」が現在相対的に優秀であることもあって、運用のプロであっても、同様のリスク水準でこの運用方針を上回ることはそう簡単ではないことを付記しておく。

 計画的に貯蓄し、資産の運用をシンプルに行うことで、読者は安心して「お金よりも大事な人生の問題」に集中してよい。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)