所要時間の数字だけを見れば間違いなく新幹線に分があるが、必ずしもベストな選択とも言い切れない側面がある。それは、この2台の夜行バスには移動しながら快適に眠れるという付加価値があるからだ。プラス一泊を快適なバスの中で過ごせて、しかもぐっすり寝れるのであれば、選択肢のひとつに入ってくる可能性もあるだろう。

 さらに現在の東京や大阪の中心部のホテル事情を考えれば、その傾向はなおさら強くなる。東京、大阪ともに、中心部のホテルは外国人観光客で混雑し、予約が取りづらい状況。なかなか手頃な価格帯の宿を確保できず、仕方なく高い部屋に泊まらざるをえないケースもある。予約できればまだ良いが、神奈川、埼玉エリアのホテルまで移動を余儀なくされるケースもあるだろう。

 また、出発時間もドリームスリーパー、ウィラーのリボーンを後押しする要因になってくる。新幹線の東京発・新大阪行きの最終は21:23と意外に早い。一方でドリームスリーパーの池袋発は22:50、リボーンは大崎発23:30、バスタ新宿発なら24:10と、新幹線に比べて1時間以上も遅い。完全個室や眠りを考慮したシートでゆったり帰路につけるのなら、ギリギリで東京を発って大阪に深夜着よりも疲労度は低い可能性もある。新幹線の終電に間に合わず、ホテルで延泊ということにでもなれば、コスト面でも大きな出費だろう。

 もちろん、条件が同じではないので一概に新幹線がいい、夜行バスがいいとは言えないが、ケースバイケースで使い分けができる選択肢は確実に増えている。往路は新幹線、復路はギリギリまで時間を使える夜行バスという具合に、うまく使い分けることで夜行バス活用の幅は格段に広がるだろう。

 ドリームスリーパー、ウィラーリボーンが高速バスの主戦場である東京~大阪間でしのぎを削ることがさらなる進化を促し、「眠れない」の夜行バスの時代に終止符を打つ可能性さえも秘めている。

※本記事は高速バス情報サイト「バスとりっぷ」の提供記事です。金額はバスとりっぷおよび「夜行バス比較なび」調べ、2017年1月20日現在。