民進党案の第二段階は、マイナンバーを活用した給付付き税額控除の導入だ。「給付付き税額控除」とは普及の障害になりそうな冴えないネーミングだと常々思っているのだが、かつてミルトン・フリードマンが効率的な再分配の構想として提唱した「負の所得税」と同じものであり、所得の捕捉が完全に行われているとする場合、再配分の効果は基本的にベーシックインカムと同等だ。

 古川氏は、これを「日本型ベーシックインカム」と呼びたいとしている。

 筆者の理解では、与党にも、マイナンバーを活用した給付付き税額控除に積極的な議員さんがいるようであり、このタイプの政策には案外実現の可能性があるかもしれない。

 加えて、古川氏は、「現金給付することは考えていません」と述べており、給付を受ける国民の年金保険料や医療保険の保険料の負担を軽減するとしている。

 保険料の負担が減ることは、低所得者の可処分所得を増やすことにつながる。また、年金保険料の免除や減額は将来の低年金化をもたらすので、これを予め救済することは望ましい政策だろう。

 年金の一部をベーシックインカム的な制度に変えるという考え方は、優れた目の付け所であるように感じる。

国民年金を全額税負担として
ベーシックインカム化する

 民進党の日本型ベーシックインカム構想をヒントに、ベーシックインカム的な政策をもう一歩進める一案を考えてみた。国民年金を全額税負担として、ベーシックインカム化してしまうといいのではないか。

 現在、自営業者は国民年金に加入して年金保険料を払っており、サラリーマンは厚生年金あるいは共済年金を通じて国民年金に相当する基礎年金の保険料を負担している。加えて、一定の所得に満たないサラリーマンの配偶者は国民年金の保険料を払っているとみなす制度があり、この公平性がしばしば議論の対象になっている。

 基礎年金は現在、2分の1が国庫負担であるが、これを全額国庫負担として、対象者全員が保険料を払っていると「みなす」とどうなるだろうか。