このローン控除を満額受けるには、10年後のローン残高が4000万円以上になることが条件となる。そこから逆算すると、次のような当初借入額と金利のマトリックスになる。

 概算では、5500万円ほどの借入れならば、10年後も4000万円のローン残高が残る。金利が高くなると、ローン残高が多く残ることになるが、低金利下では金利よりも借入額の方が影響は大きいことがわかる。こうして、毎年末のローン残高が4000万円以上あれば、40万円のローン控除を確定申告で申請すると、約1ヵ月後に指定の預金口座に還付金が振り込まれることになる。

住宅控除をフル活用する
賢い住宅ローンの借り方

 ローンに抵抗感がある日本人は多いが、住宅ローンの賢い借り方は世界共通で決まっている。それは、「なるべく多い金額を、なるべく長い期間で、なるべく安い金利で借りる」ことである。これに条件をつけるならば、「ローン返済額が無理のない範囲で」ということになる。これは、年収に対して年間の元利返済総額が25%を大きく超えない範囲が望ましい。これを超えると延滞リスクが増え始めるからだ。

 前述の借り方の3つのポイントを説明しておこう。第一に、多い金額にしたほうがいいことについては、2つ理由がある。1つは、その人の年収は総じて増えていくから、今の身の丈以上の物件を購入した方がいいことであり、もう1つは高額(都心寄り)物件の方が値下がりしにくいからである。

 後者は70平方メートルのマンションであれば、どんな場所でも毎年100万円ずつ下がることがわかっている。5000万円にとって100万円ダウンは2%下落だが、3300万円にとっては3%下落になる。この差は10年で10%に及ぶので、元本の減り方が2%と考えると、10年で10%の含み損が出るか否かの違いに相当する。

 この違いがあるからこそ、親からの贈与も積極的に行う方がいいことになる。親からの贈与は持ち家取得に対してだけ優遇されており、700~1200万円の非課税枠があるので、使わない手はない。これ以外に、暦年贈与の非課税枠が110万円あり、同時実行も可能だ。

 第二に、長い期間で借りるほうがいいことについてだが、返済期間を短くすると、それだけ返済額が多くなり、キャッシュフローが悪くなるからだ。ローンの期間は長くするに越したことはない。今回のローン控除のように、10年後のローン残高が影響するならば、元本を早期に返してしまうと税還付金額が減ってしまう。