女子学生人気も
京都大に軍配!

 東京大から官僚というコースを希望する学生が減っており、官僚養成という東京大の伝統がローカル化を進めている面もある。

 16年の国家公務員採用総合職試験の大学別合格者数を見ると、最多の大学はもちろん東京大だが、上位10校の合格者数を、国家公務員第一種試験時代の11年と比較すると、東京大だけが減少している(図参照)。

 中央省庁の官僚人気が落ちる一方、地方公務員は人気が高まっている。しかし、地方公務員になるなら、わざわざ東京大に行かなくてもいい。そう考えて、地元の大学を受ける受験生が増えていることも、東京大のローカル化を後押ししている。

 地方出身学生に加えて、各大学が積極的に獲得を打ち出している女子受験生に関しても、京都大に軍配が上がる。駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一氏は、こう指摘する。

「進学振り分けがある東京大は、必ずしも学びたい学部や学科に行けるとは限りません。対して京都大は、学部・学科を決めて入学できます。女子は男子に比べて目的意識が高い受験生が多く、入学と同時に専門が決まる京都大を目指す傾向が見られます」

 16年の合格者に対する女子占有率を、女子の人気が高い農学部と薬学部で見ると、京都大の農学部が31%で薬学部が36.9%なのに対し、両学部に進学が可能な東京大の理科II類は24.2%に留まる。こうした背景もあり、全合格者に占める女子の割合は東京大の18.4%に対し、京都大は22%と上回る。

 さらに、京都大が地域の多様性を保っているのは、京都という立地条件もあると話すのは、代ゼミの坂口氏。

「京都は自転車で大学と下宿間を移動できる小さな町で、東京のように満員電車に乗る必要もない。京都自体の魅力が大きく、多くの大学がある学問の町で4年間を過ごしたいと考える他地域の受験生がいます。首都圏から進学しても東京の企業に就職して地元に戻れる、東京大と遜色ないポテンシャルも大きいですね」

 京都市が“大学のまち”“学生のまち”を目指し「大学・まち・学生 むすぶプラン」を実施し、自治体を挙げて学生の受け入れに尽力していることも、京都大の学生の多様性を担保する。

 18歳人口の減少が進む中で優秀な学生を確保するには、できるだけ大きな母集団からの選抜が求められる。そのためには日本全国から受験生が集まることが不可欠。教育・研究分野で日本を牽引する東京大と京都大は、他大学以上に地域的な多様性が求められるわけだが、現時点では京都大にアドバンテージがあるようだ。