投げたボールを追い走るスカイを望遠レンズでとらえる。ちょっと浮いている?!

 的場さんに愛犬、コーギーのメス「スカイ」をモデルに、実際に撮影してもらった。スカイから50メートルほど離れたところで、400ミリの超望遠レンズを装着したカメラを構える。カメラの高さは、スカイの目の高さと同じぐらいだ。沼田さんがボールを投げ、スカイが走り出した。

 犬の動きを予測するのは難しい。スカイは芝生の上を自由に走り回りながら、ボールを追いかける。だが、そこは飛行犬撮影のベテラン、スカイの目にピントを合わせ、レンズを左右に振りながら1秒間10コマの高速連写でとらえていく。的場さんによると、これまでの経験から、初対面の犬でも、どのような走りをするか、だいたい感覚的に分かるという。

 撮影会では、1匹あたり、15分程度の時間をかけて、100~150枚撮る。犬が緊張などで走らない場合は、好きなおやつや音の出るおもちゃ、ボールなどを使い犬の興味を引く。たいていの犬は、うまく走らせれば、飛行犬になる瞬間があるという。

「飛行犬」となったスカイはこんな感じだ(2013年1月撮影、飛行犬撮影所提供)

 しかし、素敵な写真を撮影するための何よりも大切なポイントは、犬と飼い主との関係性だそうだ。「飛行犬の撮影は、わんちゃんが愛する飼い主に向かって走っていくところを撮るのが基本。ワンちゃんにうまく走ってもらうためには、飼い主の協力が欠かせない」(的場さん)

 的場さんは「わんちゃんが一生懸命走る世界の中で、キラッと光る瞬間がある。その一瞬を撮れる可能性があるから面白い」と飛行犬撮影の醍醐味(だいごみ)を語る。