堀江 ツイッターはデマが広まるのも早いですが、訂正も早い。こないだジャッキー・チェンが死んだってデマが流れてきて、忙しかったんでそのままリツイートしちゃったんです。そしたら友だちから「マネージャーに直接聞いたけど、ジャッキーは大丈夫」ってメールがきた。で、それを書いたらまたバーって広がる。そんなの何十分の間のことですよ。 

岡田 でもそれは、堀江さんが情報強者だからですよ。情報強者はデマに踊らされることも少ないし、正確な情報を得やすい。でも情報弱者はデマに踊らされやすくて、訂正情報とまだ流れているデマとの見分けもつかないんです。 

――強者と弱者は、何によって分かれるんでしょう。情報リテラシーですか? 

岡田 情報リテラシーまでいくと個人に対するスキルが高すぎるので、おそらくさっき言ったサロンみたいな、所属しているコミュニティですね。堀江さんが持っているリアルな友だちとか、バーチャルで知り合っている仲間みたいなものがどれだけ機能しているかでしょう。 

――たとえば、誰をフォローしているのかみたいな話ですかね。自分が情報経済社会のどこに属しているかってことで決まるんですね。 

岡田 誰でも何かあったときに相談する人っているじゃないですか? ネットワーク上の人もいれば、リアルで会っている人もいる。それが個人の持っているコミュニティです。コミュニティの品質が、その人の情報強度を決めているんですよ。 

堀江 そういえば、震災のときには、すごい数のメールが来ましたけど、僕のところにはチェーンメールのたぐいは1通しか来なかった。デマっぽいのは僕が怒るから、みんな遠慮するみたいで。 

岡田 メディアリテラシーっていうと能力の話になっちゃいますけど、そんなの個人で持つのは無理。堀江さんもデマを流してしまうことがあるわけじゃないですか。そうではなくって、変だなって思ったら信頼できる人に聞く。そのサークルを持っているかどうかなんです。

 信頼できるコミュニティを持っている人は、どこかの段階でデマを止められるし、仲間から「訂正したほうがいいよ」って言ってもらえる。メディアリテラシーを個人能力としてじゃなくて、小さい集団能力として持つってことだと思います。 

原発、エネルギー、人口問題…
日本と評価経済社会のこれから

――では、これから日本はどうなるの?ってところを聞いてみたいんですが。