岡田 今、微妙なところだと思いますよ。福島第一原発から低レベル汚染水を流しだしましたよね。日本からの輸出品も徐々に規制されている。だからこそ国際的な評判を上げて、ちゃんとしているとこ見せて、ってついついマジメに考えてしまうんですけど、あるところで裏返っちゃったほうが国益としてはいいんじゃないかって思うんです。

 かつてのブラジルなんかと同じような一種の貧困テロみたいなもので、日本って国は援助してもらわないともう成立しなくなっていると思うんです。ただでさえ、汚染水を海に流してることで国際社会の嫌われ者のポジションが近づいているんだから、そこまで覚悟しないと。 

堀江 原発は残すしかないでしょう。今すぐ全部やめるわけにはいかないですし、日本がやめたって世界中でなくなるか、っていうとそうじゃない。やっぱり原子の力を1回手に入れてしまったわけですから、それを制御したいっていうのが人間なんで。極端な話をすると、人間が人間である限り誰かが必ずやるだろうし、それを止めることはできない。しかも、廃炉にしたって何十年もメンテナンスをしなくちゃいけないんです。原子力の研究は、始めちゃった以上やめられない。みんなやめようやめようっていうけど、そっちのほうが危険だと思いますね。 

岡田 これから200年くらいかかって、日本国民の数が半分の6000万人くらいに減るといわれています。このままエネルギーを使う“人間らしい生活”をするのか、それともギリギリまで抑えた低燃費社会にするのか。みんなで決めなくちゃいけないですね。 

――最後に、ツイッターで受け付けていた質問にお答えいただきたいと思います。

[質問]評価経済社会では、失敗すると立ち直りにくい社会になりませんか? 一度失った信用はどう取り戻せばいいんでしょうか? 

岡田 それは、一度破産した人がもう1回立ち直れるかどうかと同じです。堀江さんのようにこまめなディスクローズをやっていれば、評価がマイナスになる心配なんて、まあないですよ。赤字を隠して黒字決算してたら、バレたときにいきなり株価が下がるみたいなもんで、経営不振のときはそう言っていればいいし、マズイことをしてもそれをちゃんと言っていれば大丈夫。 

[質問]貨幣経済社会から評価経済社会への移行はいつ頃起きる? 

岡田 もう段階的に移行してます。その中でも、堀江さんにはすでにきているわけです。 

堀江 僕の場合は、まだハイブリッド。今、ロケット事業をやってますけど、そっちがFREEexシステムになったとしたら、完全移行できるかもしれないですね。