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注目の最先端データ分析企業が
トランプ政権と最も近い位置にいる不安

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第427回】 2017年3月22日
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ビッグデータ分析で
社会の課題解決にも挑む

 つまり、ごく普通のインターネットユーザーがやっていることから、かなりの情報を得られるというわけだ。スノーデンの漏洩文書によると、NSA自体が「最も使い勝手の高い」ツールとしていたという。

 同じくXKeyscoreプログラムを用いれば、武器製品の番号、メーカーの情報、過激派の訓練場所などのデータから、世界の武器の流れを浮かび上がらせることもできるという。同社の創業資金は、CIAの投資部門であるIn-Q-Telが提供した。

 諜報活動に限らず、警察、国土安全保障などのために有効で、同社は2009年以来、政府関係の契約から120億ドル以上もの売り上げを得たと伝えられている。技術を提供するだけではなく、顧客のためにカスタマイズを行うコンサルティング業務を請け負っており、対象人物の人間関係をソーシャルグラフのようなかたちで表示したりすることも、その中に含まれる。

 大量の非構造的データを分析して分かりやすく表示するという同社の技術は、まさに現代で求められているものと言えるだろう。同社では、ますます増え続ける顧客数に合わせて社員が急激に増大中とされる。アメリカだけではなくヨーロッパでの収入も増大しており、ヨーロッパでは、ドイツの医療大手メルクやフランスのエアバスが顧客だ。

 パランティアの技術は、業種を選ばない。たとえば、狂牛病などの病気が発生した際に、牛肉の流通をどう効率的に差し止めるかといった場合にも、有効になる。その他、災害予防、医療など広い分野に利用できるソリューションだと、同社は謳っている。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

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