偏差値の高い大学を出て、大手企業に入ったからといって、その社員が一律の健康IQを持つとは限りません。最近、個人面談の際にタンパク質をもう少し摂るように指導したら「タンパク質…じゃあ、バナナ食べます」と言われて、密かに衝撃を受けたことがありました。ただ、私だって株の話をされてもピンとこないわけで、日頃接していない話題だから仕方ないですよね。

 総務や人事全体の健康IQを上げることが必要なのではなく、他の仕事と同じように、研修の企画ひとつとっても適任者がいるということを配慮するといいように思います。

 たとえば、企業で食の研修をするときには、対象者の年代、性別、既婚・未婚の割合などに加え、職場近くのランチスポットや、残業のときの食事の様子など、色々とお聞きしたいことがあります。危機管理系の研修であれば当然のように事前に打ち合わせがありますが、食の研修となると打ち合わせせず「なにか良さそうなことをお話しください」といったスタンスの担当者もいないわけではありません。

 特に、上層部から「健康系セミナーを企画してよ」と指示を出され、担当になった人が20代や30代前半だと、まだまだ健康の大切さを実感しにくいので、「とりあえず、健康ネタの講義を企画しました」という中途半端な研修になってしまいがちです。

 一般的には、女性のほうが雑誌などからダイエットや食の情報をたくさん得ていますし、ダイエットも身近です。誰に研修を任せるのか悩んだら、日頃からアンテナが高そうな女性(飲み会のお店選びが得意であったり、食べることが好きな人は該当しやすいかもしれません)か、若い男性でも体育会系出身であったり運動習慣があると食への感度が高くなります。

健康研修の入り口は「食」でなくてもいい
親しみやすいテーマ設定が肝

 そして、当然といえば当然なのですが、社員の健康を促進しよう、と思ったときに、必ずしも食が入り口とならなくてもいいですよね。会議室でできる簡単な肩こり腰痛ストレッチをするのだって、自分の体を気にかけるきっかけになります。