禁煙を始めると口寂しさをガムや飴で紛らわす人は多いはず。しかし、それが習慣化するとメタボに繋がります

厚生労働省の平成27年の国民栄養・健康調査によると、習慣的に喫煙している割合は現在18.2%、男女共にこの10年間は減少し続けています。喫煙場所が規制されたことやたばこの値上げを機に禁煙を決心する人も多いでしょう。しかし、いざ禁煙すると口さみしくなり食べる量が増えて太ってしまう人も少なくありません。今回は、禁煙中でも太らない食事術をお伝えします。(管理栄養士 岡田明子)

「禁煙すると太る」と言われる
3つの要因

 そもそも、禁煙すると太るのはなぜなのでしょうか。これには3つの理由が考えられます。

 まず一つは、食事や間食が増えるということです。禁煙すると味覚が変わり、食べ物が美味しく感じられるようになります。その結果、たくさん食べてしまう人も多いようです。たばこを吸っている時は、ニコチンにより味覚に関係している舌の器官「味蕾(みらい)」が鈍り、味覚がマヒしています。それがたばこを止める事で正常化して、食べ物を美味しいと感じるようになるようです。

 また、たばこを吸うことでストレスを紛らわしていた場合、たばこの代わりに何か食べること(ストレス食い)に走ってしまったり、口寂しさから間食が増えるということも太る原因です。

 次に、代謝の変化が挙げられます。たばこを吸っている時は、交感神経が促進されて心拍数が上昇するのでエネルギー消費が活発化します。禁煙によってそのエネルギー消費が減るため、太りやすくなります。

 3つ目に、消化吸収の変化も起こります。たばこを止める事で、胃腸の血液循環の改善や腸内環境が改善され、消化吸収が高まると言われています。