(5)暴行・脅迫要件の緩和→改正見送り。強姦や強制わいせつには、被害者が13歳以上の場合、抵抗できないほどの暴行・脅迫があったという証明が必要。この立証が被害者にとって負担となることや、起訴に至らないケースがあることから議論されたが、「疑わしきは被告人の利益」の原則などから見送り。

 (6)地位・関係性を利用した性的行為に関する規定の創設→一部改正。関係性を利用して暴行・脅迫を用いずとも性暴力を行うケースがあることから、監護者(親権を持つ人など)による性的行為に関する規定を創設。一方、雇用者と被雇用者、指導者・非指導者などの「関係性」についての規定は見送り。

 (7)いわゆる性交同意年齢の引き上げ→改正見送り。本人の意思で性交に同意できると考えられる年齢。現状では13歳。アメリカやカナダでは16歳。「諸外国と比べて低すぎる」という意見があったが、「子ども自身の意思決定」の尊重や、条例などでの処罰規定があるなどの意見により見送られた。

 (8)性犯罪の法定刑法の見直しについて→改正。強姦罪の懲役の下限が3年から5年に引き上げられた。執行猶予は懲役3年以下の場合につくため、この引き上げにより執行猶予がつきづらくなる意味も。

 (9)刑法における性犯罪に関する条文の位置について→改正見送り。性犯罪を人の心身の尊厳に対する罪と捉え直すのであれば、殺人の章の次に置くべきではないかという意見、また、個人的法益ではなく社会的法益に分類されていること(殺人は個人的法益)への問題提起がなされたが見送り。

※参考:「性犯罪の罰則に関する検討会」取りまとめ報告書