ライフスタイルの変化や不測のトラブルなどといった「変化や想定外のこと」などに対して柔軟に対応できるのが「賃貸」の良さ。しかし、賃貸生活を続けるなら年金生活に入っても家賃を払い続けられるよう、貯蓄を準備しておかなくてはならない。

 一方、「購入」の場合、持ち家の安心感や、賃貸物件よりもグレードの高い仕様に満足感が得られたという人は多い。また、ローンを払い終えたあとは、住居費が各段に少なくなるメリットは大きいだろう。

「賃貸」と「購入」のメリットとデメリットは、「裏表」の関係なので、表を見てわかる通り、「賃貸のメリット」は「購入のデメリット」、「賃貸のデメリット」は「購入のメリット」になる。

 つまり、賃貸のデメリットは「老後に支払う家賃の不安」であり、購入のデメリットは「不測の事態に対して柔軟に対処しにくい」ことである。それぞれの要素を見て、自分が得たいもの、取り入れたくないリスクは何かを考えてみるといいだろう。

65歳以上まで続くローンを組むと
「老後の安心」は得られない

 購入のメリットである「老後の安心」の部分をもう少し詳しく考えてみよう。購入することで老後の安心を得られるのは、年金生活に入る前に住宅ローンを完済していることが大前提となる。

「そんなこと当たり前」と思うかもしれないが、多額の借り入れを長い返済期間でローンを組んでしまうと、60歳、ないしは65歳までに完済するには、節約や繰り上げ返済など相当な努力が必要となり、簡単なことではない。

 超低金利と長い返済期間を組み合わせると、身の丈以上の金額を借りてしまうことになる。たとえば、40歳で4000万円を変動金利(0.675%)、35年返済のローンを組むと、月々は約10万7000円。無理なく返せそうな金額だ。

 しかし、40歳で35年返済ということは、完済年齢は75歳。借りる当初は「退職金で一括返済すればいい」と楽観的なのだが、40歳くらいの時点で自分が将来もらえる退職金の金額を把握している人はまずいない。さらに60歳時点でのローン残高を試算してからローンを借りる人はもっと少ない。「いくらもらえるかわからない退職金をアテにして、いくら残るかわからないローンを完済しようとする」のは、ホラーである。