悩みから解放される2つのこと

 2度とそんなバカなマネはしていません。
 なぜなら、気づいたからです。
 ひとりになる、子どもも家族も仕事も置いて旅に出る、独身生活をちょっぴり味わってみる、そんなことは、子どもがいてもやろうと思えばできてしまいます。それを楽しむこともできます。

 でも、あなたには家族がいる、この事実はひとときも忘れることができません。
 では、どうすればいいのか。
 私には、もう自由はないのか。
 解決法は2つ。

 1つは、当たり前ですけれど、独身でやっていたことを、家族と共有して心の底から楽しむのです。
 旅行も、グルメも、クレー射撃も、読書も、何でも。
 子どもと一緒にすごす時間は長いようでとても短いもの。
 1歳だったわが子がもう20歳をすぎて、なかなか会ってくれない、会う機会もそんなにない、何をやっているのかよくわからない、なんて普通です。

 もう1つは、子育て終了後の人生を最初から想定しておくこと。
「大人は子どもの成れの果て」
 という衝撃的な名言があります。
 私のお気に入りです。

 そうなんです。
 大人は子どもがアップデートやアップグレードした存在ではないのです。
 ピークはとっくにすぎているのです。

 また、鮭はハードな産卵を終えた後、子どもの成長を見ることもなく、たちまち死んでしまいます。
 人間はラッキーです。
 出産後も長く生きていられる、子どもの成長だけでなく、孫にまで会える可能性が高い。
 寿命だって、テクノロジーの発達で、これからもっと伸びそうです。

 実は、子育てが終わったあとは、また何でも好きなことができる季節が巡りくるのです。

 私は、娘が18歳、高校を卒業してハーバード大学に入った年に起業しました。
 子育てが一段落した後には、「おつかれさま」と自分の肩をポンとたたき、次の段階へと進めばよいのです。

 ですから、大人になってからの人生、出産子育て後の人生は、楽しむために与えられた、極上のおまけのようなものと解釈すれば、なんだかとっても楽になりませんか。
 すべては時が解決してくれます。
 新米ママのみなさんは、どうぞ長い目で見ていただければと思います。

*PS.今回登場した娘の廣津留すみれとジュリアード音楽院の仲間たちが作詞・作曲・演奏した歌の動画(楽しく学べる単語の歌)が、「School Trip Song(遠足に行こう)」として、本書の「プレミアム特典」に収録されています。ぜひともご活用ください。