2009年、中国での自動車生産販売台数は1300万台超で世界最大の自動車生産国となり、かつ自動車市場としても世界最大となった。
これだけ売れればカーナビも売れる。中国電子信息産業研究院(CCID)は、「毎年300万人超が新規カーナビユーザーとなっている。1台平均を1000元(約1万3000円)で計算すれば、中国カーナビ市場は30億元(約390億円)規模の市場となる。2012年には622万台が売れるだろう」と発表している。昨年末には、家電の巨頭ハイアールもカーナビ市場参入を発表した。
ちなみに中国でカーナビは、日本で主流の据付型ではなく、安価で手軽に持ち運べるPND(ポータブルナビゲーションシステム)のシェアが圧倒的だ。そのためこの記事ではPNDに絞って紹介する。
PC周辺機器メーカーが
競ってPNDを発売
PNDを売るショップ |
中国の電脳街には、だいたいPCショップが密集する電脳ビルの1フロアに5店~10店程度、PNDを売る店がある。電脳街では、ソニーやレノボなどのPCメーカー代理店と、ポータブルプレーヤーやUSBメモリなど雑多な商品を販売する2種類の店舗があるが、PNDの販売店は後者であり、ポータブルプレーヤーやUSBメモリなどと一緒にPNDを発売している。
つまりPNDが売られているのは、中国の若者でも気軽に買える100元以下のmp3プレーヤーやUSBメモリを売る個人商店だ。CCIDの発表でも、PNDの平均価格は1000元としているように、据付型のいわゆる本家カーナビよりもPNDはずっと気軽に買えるものとなっている。今やPNDは集客力のある主力商品なのか、店の一番目立つところに置いている。
PNDの発売メーカーは、日本では無名だが、中国ではPC好きには知られる「愛国者」や「紐曼」などの著名なPC周辺機器メーカーだ。もう少し具体的に言うと、以前はmp3プレーヤーなどのポータブルオーディオプレーヤーやポータブルビデオプレーヤーを発売していたメーカーである。その意味では、中国のカーナビはPCを利用する若者向けの製品であるとも言えるだろう。