年齢を重ねれば経験は積めるが
常に勉強しないと時代に遅れになってしまう

 医師は年齢を重ねるごとに経験を積むことができる一方で、常に勉強をしていないと知識や技術はあっという間に時代遅れになってしまう。今回の分析結果は、医師のキャリアだけでなく、最新の知識を適切にフォローできているかどうかが医療のアウトカムを大きく左右する可能性を示唆している。こうした事情は基本的に日本でも変わらないと津川さんは見ている。

「想定していたよりも若い医師や女性医師が担当になると不安がる患者さんもいるが、その不安には何の根拠もない。ベテラン医師の方が頼りになるというイメージに惑わされず冷静に判断してほしい」と津川さんは話す。

 要は、ベテランの医師ほど頼りになるとは必ずしも限らず、あくまで最新の知識をどれだけ身につけているかで医師を判断する必要があるということだ。ただ、最新医療の知識を医師がどれだけフォローできているのかを医療の素人である患者が見極めるのは簡単ではない。患者はどうすればいいのか。

 津川さんが勧めるのは、自分の病気の治療法がどこまで解明されているのか、ガイドラインではどうなっているのか、医療の最新情報をとにかく質問してみることだ。「患者さんにはこうしたことを医師に聞く権利がある。自分の生命に関わることだから、臆せずに質問してほしい」と津川さんは話す。

 最先端の研究結果やガイドラインを把握しているならしっかり説明しようとしてくれそうだが、詳しい説明がないなら、もしかするとそれを把握できていないのかもしれない。これが医師を見極める手掛かりの一つになり得る。津川さんは「たとえば『うちではこうしている』『いつもこの治療法を用いている』としか話さないなら要注意」だと話している。