グローバル人材に必要な
4条件とは?

1.英語によるコミュニケーション能力があること
 英語によるコミュニケーション能力は、会社の教育制度と、本人の自主的学習によって高めることができます。

 TOEIC(990点満点)は情報処理能力を示すものなので、TOEICのスコアが高いからといって、流ちょうな英語力があるわけではありません。
 外国人とコミュニケーションを取るには、会話力が必要です。

2.自分の意見を持ち、自己主張できる
 社員本人の努力以上に、企業風土が問題になります。
 異なった意見が自由に述べられる風通しのいい風土が必要です。

3.異なった価値観や文化に敬意を持つ
 文化に優劣はつけられないので、異なった価値観や文化に敬意を持ち、認められることが重要です。

4.日本の歴史、文化、ビジネスについて外国人に伝えることができる
 日本の歴史や文化、日本人特有の習慣や考え方を理解したうえで、異文化の相手に説明することが大切です。
 以前、当社に、陳秀媛という中国人女性がいました。
 10年以上前の話ですが、彼女は27歳のときに日本に帰化して、「林美希」に生まれ変わりました。
 非常に優秀な営業員だったので、私は「このまま日本レーザーで働いてほしい」と思っていたのですが、半年後に会社を辞め、アメリカに渡りました。
 当社を辞めるとき、彼女はこう言いました。

「アメリカの大学へ行って、英語を勉強してMBA(経営学修士)を取りたいと思っています。これからの世界の中心は、日本、中国、韓国、台湾などの東アジアです。ここで活躍できる条件は、英語と日本語と中国語が流ちょうに話せて米国のMBAを持っていることです。そうすれば、シンガポールでも上海でも東京でも、どこでも活躍できるはずです」

 この女性のチャレンジに、ほかの社員は圧倒されました。
 こういう人材がいることで、会社は活性化し、組織は変わるのです。