教師が生徒をだますのは容易
児童との間には特別権力関係がある

――教師が生徒をだますのは容易というのは『スクールセクハラ』の例でもよくわかります。

 事件を起こした小学校教員のケースですが、裁判官から「(児童との間には)特別権力関係がある」と指摘された人がいました。そうやって指摘されないと、自分が権力を持っていることに気づかない教師もいます。

――子どもにとって権力的な存在であることに気づかないから、生徒の恐怖や拒否、困惑に気づかず、「同意だったはずだ」と思ってしまうこともある。

 体罰の研修は現在もあると思うので、スクールセクハラも入れてもらいたいですね。子どもに触ることを「スキンシップ」と言い訳をする先生は多いですが、触らなくても子どもと交流はできます。大人同士だったら、「スキンシップだから」と言って勝手に触ったりしません。専門家を招いた研修を受けることが必要です。

――子どもに直接、性的被害を聞く実態調査をする教育委員会もあるそうですね。

 千葉県to神奈川県の教育委員会が行っていて、一定の効果は出ています。アンケートを取ると被害の申告が出てくるので防止になります。もっと全国でやってほしいですが、パンドラの箱を開けたくないのでしょうね。何を一番に考えるのか。子どもの権利を一番に考えるのなら、こういう実態調査は必要です。

 また、いじめについては「いじめ防止対策推進法」で第三者委員会を設置できるようになったので、同じようにスクールセクハラについても第三者委員会を設けてほしい。被害申告があったときに、校長に調べろというのは無理な話。調査の素人ですから。校長にしたら、疑われた教師が「やってない」と言ったら、その方がありがたいわけです。子どもが嘘つきにされて終わりになってしまう。弁護士のように調査能力に長けた専門家が聞き取って、事実関係を明らかにして被害者を救うことが問題解決、ひいては再発防止につながります。