被災者の方たちは、地震保険の重要性を痛感していた

 地震保険は、地震や津波、噴火などによる被害を補償してくれる保険です。

 地震保険で加入できるのは自宅を建て直すために必要な金額の半分までで、家屋が全壊しても地震保険の保険金だけで家を再築することはできません。

 それでも使い道が自由な一時金として地震保険は生活再建の大きな力になるはずです。たとえば再築に2000万円必要なケースでは、被災者生活再建支援金として受け取ることができるのは300万円のみですが、地震保険から1000万円が支払われれば、あと700万円で再築が可能となります。 

地震発生から約4ヵ月。<br />仙台でのセミナー開催で感じたこと

 実際、セミナーの参加者からも、「地震保険に入っていてよかった」という声、また「支払いが早くて驚いた」という声も少なくありませんでした。

 特に被害が大きかった方にとっては、地震保険に加入していたかどうかで、生活再建の道筋に大きな違いが生じることになり、地震保険の重要性を痛感された方も少なくないようです。

火災保険を見直して、地震保険の保険料を捻出する!

 地震保険は火災保険とセットで加入する必要があります。「現在は火災保険だけに加入しているが、途中から地震保険を付加できるか」という疑問を持っている方も多いのですが、火災保険の加入時だけでなく、途中から地震保険を付加することも可能です。

 また火災保険については、住宅ローンの借入先である金融機関(銀行など)で加入するもの、という思い込みも目立ちます。銀行などでは火災保険や地震保険の代理店業務を行なっていますが、融資とセットで保険を販売することは、抱き合わせ販売であるとして認められていません。借入先で加入する義務はなく、自由に加入できるので、比較検討して見直すこともできます。そのときに戻ってきた資金で、地震保険の加入をかんがえてみるのもいいと思います。

 次回は、地震保険の詳細についてです。

 

地震発生から約4ヵ月。<br />仙台でのセミナー開催で感じたこと
プロフィール
清水香(しみず かおり)
1968年東京生まれ。ファイナンシャルプランナー。学生時分より生損保代理店業務に携わるかたわら、FP業務を開始。2001年、代理店での10年間の経験を生かし独立、のち(株)生活設計塾クルー取締役に就任、現在に至る。相談業務、執筆・講演なども幅広く展開、TV出演も多数。著書に『見直し以前の「いる保険」「いらない保険」の常識』(講談社)、『こんな時、あなたの保険はおりるのか?』(ダイヤモンド社)、共著に『災害時絶対に知っておくべき「お金」と「保険」の知識(ダイヤモンド社)』ほか多数。 日本経済新聞電子版「自動車保険」、オールアバウト「火災保険の選び方」などで連載中。
所属先:(株)生活設計塾クルー http://www.fp-clue.com/

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