「注意を受け入れない人」を黙らせる方法
そこで私は、「だったらお客さまの一人ひとりに、オペレーターの仕事の品質が良かったかどうか聞けばいい」と思いつきました。
そして、コールセンターに連絡してきた人たち全員に、メールでアンケート調査を実施する仕組みを作りました。
「お問い合わせありがとうございました。オペレーターの対応はいかがでしたか。満足度を星5つで評価してください」
こんなメールを送って、オペレーターの接客品質を星1つから5つの数字で測定することにしたのです。
そして、オペレーターごとの平均点を1日ごとに算出し、「あなたの昨日の評価は3.8点でした」などと毎日画面に表示しました。
客観的な数値で示されたことで、オペレーターたちは自分の点数を上げるにはどうすればいいか、各自で考え始めました。
先ほども言った通り、お客さまによって求めるニーズは異なりますから、実際に対応するオペレーター本人が工夫するしかありません。
これにより、コールセンター全体の顧客満足度も高まりました。
お客さまから返ってくるアンケートは、毎月数百件に上りました。これだけの母数を根拠とする数値を示せば、「クレームが来たのはたまたまです」という言い訳はできません。
人が自分の行動を改善しようと思えるのは、「今のままでは、何がどうダメなのか」を納得できたときです。
そして、自分を客観的に評価するのに、数字ほど適したものはありません。
現状を数字で把握し、目標値との差を認識しないと、人は改善に向かって動き出せないのです。