生活費は下がり外出も増え
子や孫が来るようになった!

☆メリット4 生活費をコストダウンできる
 郊外の広い一戸建てから都心のマンションに住み替えた場合、光熱費や庭の維持管理費、また移動手段の中心だった車関連の費用などをコストダウンできることは、前回お話ししました。
 さらに、一戸建ての隠れた費用として、家の改修工事費用も定期的にかかってくることを忘れてはいけません。「マンションは修繕積立金の負担が……」という声もよく聞きますが、この点は一戸建ても同じです。むしろ、部位ごとに何年くらいのサイクルで修繕が必要になるかを把握しておく必要があるため大変です。どんなに高齢になっても自分で管理して、業者との交渉なども行う覚悟も必要です。

 また、広いマンションからコンパクトなマンションへ住み替えるケースでも、狭くなったぶん、冷暖房の効率などが良くなるため、多くの場合、月々の光熱費は減ります。さらに、「部屋がコンパクトになるとムダな家具や雑貨なども買わなくなった」「駅や商業施設に近くなると、まとめ買いをする必要もなくなって日々の買い物を吟味するようになった」という声も住み替えた人たちから聞こえてきます。

☆メリット5 リタイア後の楽しみが増える
 広い家にかかる手間やコストが減るぶん、好きなことに使える時間やお金にゆとりが生まれます。

 日常的に映画やお芝居を楽しんだり、気軽にお洒落なバーで飲んだりなど、郊外の暮らしとは趣の異なった、シティライフを満喫できます。電車等の交通の便がよくなったことで、アクティブな人にとっては行動エリアもぐんと広がるはずです。新著『都心の小さな家・マンションに住み替える』で紹介した住み替えを実践した人たちに共通していたのは、どこへ行くにも「近い」ということで、フットワークが軽くなり、外出も増え活動的になっていたことです。

 また、独立していった子どもや孫たちが都心で暮らしている場合、距離的にも、心理的にも立ち寄りやすくなります。利便性がよくなれば、子や孫、友人が家に来てくれる機会も増えるので老後の寂しさを感じずに済みます。

☆メリット6 シンプルライフが実現できる
 住まいをダウンサイジングすると、生活のダウンサイジングも同時に行われることになります。引っ越しの際に思い出の品々を整理することになることから、住み替えを「終活」の一部として捉える人もいます。

 住み替え後のシンプルな暮らしに、心の平穏や生活の質の向上を感じる人は少なくありません。特に夫婦の場合、これからの人生をどう過ごしていくのか、二人で話し合う時間が必然的に増えるため、老後のビジョンを描くよいきっかけとなります。

 ここまで読んでいただくと、都心の小さな家・マンションに住み替えることがいかにメリットが大きいかがご理解いただけたかと思います。新著『都心の小さな家・マンションに住み替える』では、このメリットをフルに享受するための住み替えを成功させるためのポイント、住み替えで狙い目のエリアなどを詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてください。