テイストを固定して3回目。今回は「いかにして思いを伝えるか」がテーマです。このテーマをどう伝えるのでしょうか。
 

伝えたいことがあるんだ

 今週はお盆ということで、通勤の電車内も編集部内もガラガラの状態。第2編集部も例外ではなく、女性部員がみな休暇をとっていたため、毎週月曜日の編集会議はI 泉編集長をはじめ男ばかりが4名。男性率100%という大変むさ苦しい会議。

 第2編集部に限らず、書籍編集部の女性陣はみな非常にパワフルなため、いなくなってしまうと寂しい、早く戻ってきてほしいと実感。…強い者にはグルグルに巻かれたいので、念のため記しておく。本当は、休みが終わってもみなさんハツラツとずっと外を飛び回っていてほしいですね!

 さて、先日から、改訂版原稿の具体的なやり取りが進んでいる。不慣れな仕事で自分自身が試行錯誤しながらの進行だったため、著者にも相当迷惑をかけてしまったが、旧版の良さも残した内容にまとめることができそうで少し安心している。発行が正式に決まったら、詳細をここにも書きたいと思う。

 実際の編集作業に取り組んでみると、文章を書くことも決して得意ではないが(見ての通り)、それ以上に自分以外が書いた文章に手を加えるということの難しさを痛感している。ポイントを明確にして、イメージを分かりやすく伝えることが一番大切だと分かっているものの、その「分かりやすく伝える」ことが実に厄介である。

 以前、私の上司T田副編集長の打ち合わせに同席させてもらったときのことを、ふと思い出す。好評発売中『ぶっちぎり理論38』の著者後田良輔さんとの打ち合わせを行っていたT田。後田さんが体験したあるエピソードついて、違う話に差し替えて欲しいという旨を伝える際、こう語っていた。

「後田さん、ここで書いてくれたエピソードは野球でいうと7番バッターですよね。僕は、ここに4番バッター級のエピソードが欲しいんですよ。スコーン!と突き抜けた感じのやつを」

 初めて打ち合わせに同席させてもらった私は、長嶋監督の指導を受ける元木大介のごとく、頭の中が「???」で満たされた。しかし、二人三脚でやり取りを続けてきた後田さんにはT田副編集長のイメージはしっかりと伝わり、すぐに代替の、「4番級」のエピソードが出てきたようだ。