男2人に女1人!
高齢化も進む大阪市西成区

 さて、男性の比率が最大となっているのは大阪市西成区である。

 男性が多い都市の多くは工場労働者が多いために、平均年齢は全国平均よりも低いのが一般的だが、西成区は真逆だ。平均年齢53.3歳(全国平均46.4歳)は、今回集計した市区町村の中で新潟県佐渡市、秋田県能代市に次いで3位、65歳以上の比率も38.7%(全国平均26.6%)と、これまた佐渡市、静岡県伊東市に次いで第3位となっている。

 その年齢構成を確認すると、70歳前後を中心にした、団塊の世代に属する男性の比率が極めて高いことがわかる。男女比率は60歳代~70歳代前半までは200超え、つまり男2人に女1人という異常な比率になっているのである。

 高齢化という地方都市の中でも交通が不便、産業に乏しい衰退する都市に共通する特徴が、大阪市の中心部に位置する区に見てとれるという、この点でも西成区は特異である。

 西成区には日雇い労働者らが集住する、いわゆるドヤ街(ドヤとは簡易宿泊所のこと)がある。新聞報道などでは「あいりん地区」と報じられる一帯で、この存在によって高齢の男性が異常に多い数値となる。ドヤ街には路上生活者や居住実態がはっきりしない人間も多く、国勢調査でも実態が明らかではないとされるから、本当の男女比率はもっと高い可能性すらある。

 ドヤ街は、東京都台東区(通称:山谷)、横浜市中区(寿町)にも存在する。戦後復興期から高度成長期にかけて、各種インフラの建設作業要員として都市にやってきた出稼ぎ労働者などが住むようになったのがきっかけで、かつては全国主要都市に存在した。経済の安定成長化とインフラ整備が一段落したことで建設作業員の仕事は減るのだが、人がそのまま居着いて今に至るまで実体を留めているのが西成区、台東区、横浜市中区の3ヵ所だと言われている。

 社会保障の費用負担、治安、住民の健康問題など、多くの問題に直面している西成区の現実がデータからにじみ出るように伝わってくる。