震災を機に男女比率が
逆転した福島県南相馬市

 さて、さまざまなものが見えてくる「施設等の世帯人員」の比率であるが、9.1%と圧倒的な高さとなっているのは福島県南相馬市である。直近2回の国勢調査は2010年と15年に実施されているが、ご存じの通り、この間に東日本大震災が起きている。

 この南相馬市の数値は、震災前後に町の様子が一変したことを物語っているのだ。南相馬市は事故のあった原子力発電所から20キロ程度の距離に位置する“交通至便”な地の利から、市域内に除染作業員の宿舎が50ヵ所以上、17年3月時点で5000人以上が居住している。

 これが「施設等」の世帯人員を大きく増やした。震災前のデータを見ると、元々は男性が3万4450人に対して女性が3万6428人と、通常の高齢化が進む地方都市と同じく、女性の数が多かった。これが震災で一変したのである。

 5年間の間に、人口の約25%、1万5931人が転出しており、その男女別の数字は男性7555人に対して8376人で女性の転出が多かった。つまり男の比率が上がる要因の1つにはなっているのだが、主な原因は転入の方である。男性7125人に対して女性2117人。女性の3倍もの男性が、原発事故関連の仕事のために移住している。

 ランキング8位の石川県野々市市が男性比率を高めている要因は大学である。市内にキャンパスがある金沢工業大学の学生数は6548人のうち男性5827人、女性721人。大学の発表によると学生の7割が県外出身者なので、単純計算でおよそ3500人余の男性転入超過となる。野々市市は人口5万5000人の小さな都市だけに、大学の存在がじつに大きく影響しているのである。