相性の悪さを乗り越える
“第2の秘策”とは?

 相性の悪さを乗り越える2つ目のポイント。
 それは、【相剋の負の関係を調和する】ことです。
 これはいったいどういうことか?
 一番わかりやすい会社やチームでの組織を例に見ていきましょう。

 たとえば、もしあなたが「雷の三碧」だったとしたら、「木」から「土」に何か注意をしたい、気になる点を伝えたい場合は、注意が必要です。

 なぜなら、「雷の三碧」のようなキツイ言葉は、相剋の関係である「大地の二黒」「ガイアの五黄」「山の八白」には強烈なダメージを与えかねませんから。

 そこで、あなたがすること。
 それは、チーム内で「相生(そうしょう)の関係」を利用するのです。
 つまり、チームリーダーの「木」(三碧・四緑)が「土」(二黒・五黄・八白)に注意するときは、直接言ってはいけません。
 いったん「火」(九紫)に受けてもらい、「火」(九紫)から「土」(二黒・五黄・八白)に伝わるように工夫するのです。

「土」(二黒・五黄・八白)から「水」(一白)へも同じです。
 この「土」と「水」の間に「金」(六白・七赤)の人を絡めて、ワンクッション置いて「水」に伝える。

「水」(一白)から「火」(九紫)の場合もそうです。
 直接言ってしまうと、九紫の情熱の火を消してしまう恐れもありますから、水と火の間に「木」(三碧・四緑)を立てて火と接するのです。

 こうすることで、相剋の負の関係を調和することができます。

 上司と部下の関係は、自分ではどうしようもない「宿命」のようなものです。
 相剋の関係とわかっていながらも、業績や利益のことも考えていかなければなりません。
 そこで、自分のチーム力を最強にしていくためにも、チーム内すべての人財を把握し、適切に配置し、2倍、3倍と組織力を高めていきましょう。

 あなたの上司が相剋の相手であっても、今回挙げた【2つの秘策】を使いこなせば、互いを心から認め合った、唯一無二の上司と部下の関係に近づくかもしれません。

中野 博(Hiroshi Nakano)
信和義塾大學校創設者兼塾長、経営コンサルタント。早稲田大学商学部卒業。
ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院ブランディング実践講座エグゼグティブコースを修める。ハーバードビジネススクールでは経営学を学ぶ(いずれも短期集中型の経営者クラス)。1992年、地球サミットに国連認定ジャーナリストとして参加したことを契機に環境ジャーナリストとして活動。1997年の地球温暖化防止京都会議を機に、株式会社エコライフ研究所設立。環境ジャーナリストとしての取材・分析力と経営コンサルタントとしての提案力をベースに、800社以上を環境ビジネスに参入させ成果を挙げる。その傍ら、住宅、環境を軸にした本を多数出版(本書が30冊目)。講演依頼も多く、国内外で2000回以上の実績。2005年、教育研修会社の株式会社ゴクーを設立。1万人のサンプリングを体系化した『9code(ナインコード)』をもとに、信和義塾大學校で指導にあたるほか、企業や各種組織で『9code』を利用したコンサルティングや人材活用研修も多い。現在、信和義塾大學校は、世界6か国20都市以上にあり、塾生は700名超。